本田「試合を支配することが大事」 国際親善試合 ウクライナ戦後のコメント

スポーツナビ

ウクライナ戦後、本田(右)は「悔しいけれど内容、結果ともに向こうに上回られました」と完敗を認めた 【写真:ロイター/アフロ】

 サッカー日本代表は27日、ベルギーのスタッド・モーリス・デュフランで国際親善試合のウクライナ戦に臨み、1−2で敗れた。日本は前半21分にヤロスラフ・ラキツキーのミドルシュートからオウンゴールで先制を許したが、前半41分にフリーキックから槙野智章がゴールを決めて同点に追いついた。しかし、後半24分に再びリードを許し敗戦に終わった。

 試合後、本田圭佑は「悔しいけれど内容、結果ともに向こうに上回られました」と完敗を認めた。個人としてのパフォーマンスにも「もちろん満足できない」「正直もうちょっとやりたかったというのはあります。最初の布石が後半より生きてくる場面での交代だった」と悔しさをにじませた。また、チームでの戦いに関しては「(試合を)支配することが大事で、結果、守備も良くなると僕は考えています。1つ1つのプレーの選び方が、より個をさらけ出すようなプレースタイルに今はなっている」と持論を展開した。

本田圭佑(パチューカ/メキシコ)

「個人的にはもちろん満足できない」

(想定していた中での結果?)そこに関しては悔しいけれど内容、結果ともに向こうに上回られましたね。

(個の違い?)対策としてはやはり(試合を)支配することが大事で、結果、守備も良くなると僕は考えています。1つ1つのプレーの選び方がより個をさらけ出すようなプレースタイルに今はなっているので、それを消すために、いわゆるうまくチームでカバーするには、試合を支配するということが僕は大事だなと思っています。ただ、それがチームのやりたいことかというと明らかに違うと思うし、少なくとも融合みたいなものが、もう少し見つけられないのかなと思っています。

(本田が試合を落ち着かせていたと思うが)個人的にはもちろん満足できないです。負けた以上は。ただ、正直もうちょっとやりたかったなというのはあります。向こうのスタイルも後半に落ちるやり方をやっていて、前半からサイドを起点にしながら、サイドバック(SB)を走らせていたので。サッカーは奥深くて、90分間でコミコミになる。最初の布石が後半より生きてくる場面での交代だったのは悔しいです。でもそれは、監督にもっと見てみたいと思わせられなかった自分に非があるというのは分かっています。あとはテストマッチということで、最初から交代を考えていた可能性もありますし。

(今日は個々のミスが多すぎたのでは?)負けた試合なので何を言っても、もうあんまり響かないんですけれど、(良くなかった部分を)個と言ってしまうのは簡単です。実際、良い形の中ではもっと良いプレーができる選手がいるのは事実なので。明らかに日本は個をもっと伸ばしていかないといけないのは大前提ですけれど、個以外のものが個を引き立たせるというのはありますよね。それができていないというのはあると思います。

 じゃあ誰が本来以上のパフォーマンスを出せているのかというのは、それを個と言ってしまうのであれば、そこでもう話は終わってしまう。けれど、チームスポーツなのでそれ以上のことを話していかないといけないと思っています。ただ個人個人で見れば、僕を含めてサッカーで個の追求は終わることがないので、そこはもちろん反省しないといけないところだし、少なくともその個のクオリティーは今日は良くなかったと思います。

長友佑都(ガラタサライ/トルコ)

「圭佑がチームに与える効果は絶大」と長友は本田の重要性を語った 【写真:高須力】

「圭佑がチームに与える効果は絶大」

 マリ戦より多少は改善されている部分はたくさんあったし、組織として守れている部分もあり、良い部分がたくさん出て良かった部分はあります。けれど、ワールドカップ(W杯)で勝つことを考えた時に厳しいのは変わりないというのは正直なところです。

(イェウヘン・コノプリャンカに突破されて中にクロスを入れられる形が多かったが)結局、1対1の勝負で勝てないと次のマークがズレて、またズレて、全てがズレていくので。マンマーク気味についてハメていくという組織でやっている中で、1人がはがされると、どんどんズレていってしまう。僕のサイドもそうだし、しっかりと1対1の部分では勝っていかないと、正直W杯はこれ以上のレベルの選手たちと対戦するので厳しいですよね。

(本田が入ったことでボールを保持することができるようになったが)裏を狙うだけではなくて、圭佑みたいに下りて味方を助ける(ことも大事)。プレッシャーがかかっている時に裏へ抜けると、特にDFの選手とかはプレッシャーの中で裏に蹴るのはなかなか難しかったりする。そういう状況でも、勇気ある選手が下りてきてタメを作って、そこでファウルをもらって時間を作ったりとか、ディフェンスラインから見ていて、本当に助かったというプレーです。そういうプレーが多かったなと思います。

(前半は本田を起点に攻めがスムーズになった?)マリ戦でも圭佑が入ってリズムが出てきたし、今日の前半もあそこでタメを作れるからSBも上がれる。中盤も押し上げられる、ディフェンスラインも押し上げられる。地味で見えないかもしれないですけれど、チームに与える効果は絶大だなというのは思います。

(縦に速くよりも、日本はある程度ボールをキープしないと難しい?)それは時間帯とかいろいろありますけれど、ある程度は保持もできないといけないと思います。そのオプションが自分たちにないと、裏に蹴りました、裏に抜けました、相手に取られます。今日みたいにクオリティーの高いチームだとポゼッションもされ、守備で疲労します。ボールを取った時に精度が落ちるし、中に入っていったり、ゴール前に入っていく選手が少ないというような負のスパイラルに陥るのかなと思います。

 やっぱり今日は、圭佑のサイドは起点を作っていたし。別に本田圭佑だからとか、ずっと戦ってきた戦友だからとかといってこうやって話しているわけではなくて、みなさんも上から見ていて思ったと思うんですよね。やっぱり起点になっているとか、チームが変わった部分があったと。

槙野智章(浦和レッズ)

同点ゴールを決めた槙野は、「収穫の多いゲームだった」と手応えを語る 【写真:ロイター/アフロ】

「収穫の多いゲームだった」

 最初の指示は、相手のビルドアップが非常にうまいので、ある程度ブロックを作りましょう、というところが自分たちのテーマではありました。ただ後半は、自由にさせないように高い位置からプレスをかけにいこうと切り替えたので、どこで行くのか行かないのかというメリハリの部分をもう少し明確にしていかないといけないと思っています。ただ、今日は前半と後半が全く違う展開になったし、収穫の多いゲームだったと思います。

(マリ戦からの立て直しはW杯本大会のシミュレーションになった?)11月の欧州遠征の時もブラジル戦での反省からベルギー戦と2戦目に修正されて良いゲームができましたし、今日も第1戦から反省された中で非常によかったです。(W杯)本戦の中で1戦目が悪かったから2戦目が良いというわけにはいかないですし、初戦の中で自分たちがどういうゲームをしたいのか、入りの部分から非常に気を付けていかないとズルズルいってしまう傾向があります。チームとして良い準備と、全員で同じ意識を持つということが(重要と)あらためて思いました。

(セットプレーからの得点が大事だと言っていて、ブラジル戦と今回で点を取れたが)監督からも、難しい状況からセットプレーで点が取れなければいけないと言われていますし、個人的にも入って行くタイミングをすごく言われています。このチームのストロングポイントだと思っていますし、今回は吉田麻也選手がいないですが、彼がいればもっと強さを増すと思います。拮抗(きっこう)した中でのセットプレーからのゴールというのは、2010年(南アフリカ大会)も遠藤(保仁)選手と本田選手がFKを決めていますし、大事な試合の中でのセットプレーは鍵になると思います。

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