3冠獲得に向け、視界良好のバルセロナ 移籍濃厚のイニエスタは有終の美なるか
そして今、一時代を築いたもう1人の偉大なるクラック(名手)がバルセロナを去ろうとしている。今季終了後に中国リーグへ移籍する可能性が現実味を帯びてきたアンドレス・イニエスタである。
シャビと同じく、イニエスタにもバルセロナのラストシーズンにキャプテンとして3つのトロフィーを掲げるチャンスが残されている。
今のバルサに対抗できるチームはいない!?
あの試合を見た上で本コラムを読んでいる方は、大げさすぎる表現だと言いたくなるかもしれない。ビルバオが異なる姿勢で臨み、高い位置からプレスをかけてバルセロナを押し込んだ後半の内容を考慮すれば、確かにそうだろう。しかし、それでもビルバオ戦の前半には、あらゆるチームに脅威を与えるだけのインパクトがあった。
今季のバルセロナは守備陣の安定が際立つ傍らで、攻撃面ではライバルを圧倒するようなパフォーマンスを常に発揮し続けてきたわけではない。だが、不意に生じたネイマールのパリ・サンジェルマン移籍を乗り越え、攻撃陣の再編に成功したことは確かだ。
ウスマン・デンベレとフィリペ・コウチーニョの獲得は、ネイマールを失った反動で生じた衝動的な補強だった。しかも早急にビッグネームの獲得を必要としていたバルセロナの状況を逆手に取り、ドルトムントとリバプールが大幅に要求額を引き上げたことで、2人の移籍金は異常なほど高額になってしまった。それでも彼らは、シーズンの終盤に差し掛かるにつれてチームになじみ、着実に重要な存在となり始めている。
コウチーニョはウイングとしても攻撃面で貢献しつつ、バルセロナを去る日が近づいてきたイニエスタの後継者として存在感を高めている。デンベレは加入早々のけがにより数カ月の出遅れを強いられることになったが、周囲と連動した動き方を理解するにつれて、動きがよくなってきている。