【新日本プロレス】ザックが棚橋を下してNJC初優勝 みのるは“頭踏みつけた”内藤を挑発

高木裕美

オカダ、IWGP最多防衛記録へばく進

オカダはこの日も自ら勝利を奪う。V11へ視界良好だ 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 セミファイナルではオカダがチャッキーTと組んで、飯伏幸太&チェーズ・オーエンズ組と対戦。オカダは飯伏とオーエンズを場外へ落としてプランチャを見舞うなど、キレのある動きを見せつけるも、ダイビングエルボードロップからのレインメーカーはオーエンズに切り返され不発。それでも、ドロップキックからのコブラクラッチでギブアップを奪い、堂々の勝ち名乗りを上げた。

 オカダがIWGP王者としてNJC優勝者を迎え撃つのは、今回が4度目。12年は5.3博多で後藤洋央紀を退け、王座防衛。13年は自身がNJC初出場初優勝を果たし、4.7両国で棚橋から王座を奪取。16年は4.10両国でNJC覇者の内藤に敗れ、王座を奪われたが、昨年は4.9両国で柴田の挑戦を退けている。今年の4.1両国での防衛戦は、棚橋の持つ最多防衛記録V11に並べるかどうかの大一番である。とはいえ、「自分こそが最強」を自負するオカダにとって、タイ記録では満足できるはずがなく、両国は、単独首位となる新記録樹立のための“通過点”。6年前、棚橋の記録を11で止めた男が、新日本の歴史に新たな勲章を打ちたてるか。

ジュニアタッグは再び3WAY戦か

みのるは試合後も内藤を痛めつけ、挑発を続けた 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 IWGPインターコンチネンタル王者・鈴木みのるが、無冠の内藤哲也に対し、場外戦でラフファイトを展開。かつて、内藤が無造作に投げ捨て、踏みつけてきたICベルトが欲しければ、自分から向かって来いとばかりに挑発してみせた。

 みのるは3.15後楽園での6人タッグ戦で内藤と戦った際、「オモロいもん見ーっけ!」と高笑い。3.6大田区では、試合後に「オレの頭踏んづけてるヤツ、テメエのところ、必ず行くぞ。首洗って待ってろ」と、IC王者としては「目の上のタンコブ」的な存在である、「立場的に、対外的に」上のポジションにいる別のチャンピオンを意識しているかと思われたが、この日の戦いで「直接オレの頭を踏んだ野郎」が現れたことで、ターゲットが変化。3.18浜松での6人タッグ戦終了後には、内藤に対し、「おまえがあれだけいらないって言っていた、これ(ICベルト)。おまえがあれだけ無視し続けてきた鈴木みのる。おまえはオレが欲しいのか。だったら、テメェの首差し出して、ここまで出てこい」と痛烈なメッセージをたたきつけていた。

 みのるは、内藤自らアクションを起こすのをたきつけるように、イスを手に背後から内藤を襲撃すると、花道へ連れ出し、エルボー、ランニングキックからイスで殴打。リング上で内藤がみのるの顔面を踏みつけ、蹴り上げると、みのるも内藤にヒザ十字固めを見舞い、さらにはお返しとばかりに内藤の頭にキック。内藤も顔面をかきむしっていく。ならばとみのるは再び内藤を場外へ連れ出すと、鉄柵めがけて投げ飛ばす。その間に、リング上ではSANADAが飯塚高史をSkull Endで下し、試合終了のゴングが打ち鳴らされる。しかし、みのるは攻撃の手をゆるめるどころかさらにヒートアップ。内藤の顔面を会場の扉、テーブルに打ちつけ、イスで絞首刑にすると、内藤の顔が苦痛でひしゃげ、場内からは悲鳴が起こった。

 また、リング上では金丸義信とBUSHI、エル・デスペラードと高橋ヒロムが第2ラウンドに突入。そこにロッポンギ3KのSHO&YOHも乱入し、現IWGPジュニアタッグ王者組であるデスペラード、金丸に次々と合体攻撃を見舞うと、SHOが「おまえらだけの戦い、黙って見てられるけわけねえだろ。オレたちにもやらせろよ。このクソッタレが」とマイクアピール。3.6大田区での3WAY戦で遺恨が生まれたことから、この3チームによるタイトルマッチの再戦は避けられなさそうだ。

NEVER王者・後藤がジュースと因縁

パルプフリクションでNEVER王者・後藤からフォールを奪ったジュース・ロビンソン 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 NEVER無差別級王者の後藤洋央紀が、NJC準決勝敗退のジュース・ロビンソンにピンフォール負け。NJC優勝者からはNEVER王座が指名されなかったことで、近いうちに両者のタイトルマッチが組まれることが決定的となった。

 ジュースは今年のNJC1回戦で高橋裕二郎、2回戦でマイケル・エルガンを撃破。3.16後楽園での準決勝で棚橋に敗れ、惜しくも決勝進出はならなかったものの、結果的に、より手っ取り早く、以前から照準を合わせていたNEVER王座への挑戦権を手に入れるルートを“開拓”することになった。

 この日、後藤はYOSHI-HASHIと組んで、ジュース&デビッド・フィンレー組と対戦。後藤はYOSHI-HASHIとの連係攻撃からポーズを決めるなど、絶好調ぶりをアピールすると、ジュースにラリアット、村正、バックドロップを発射。しかし、ジュースもフィンレーとの合体フェースバスターで流れを引き寄せると、後藤の牛殺しを切り返し、ナックルパートからのパルプフリクションで3カウントを奪取。勝利したジュースは、倒れたままの後藤の腰に手を伸ばし、ベルトを奪うジェスチャーで王座挑戦をアピールした。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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