ケガから復帰する主砲、エースら センバツへ特別な思いを持つ選手たち
名将・高嶋監督もその能力の高さを認めるスラッガー林(智弁和歌山)。昨夏の甲子園でも本塁打を放っている 【写真は共同】
林晃汰(智弁和歌山)
その後、新チームで林の姿はベンチになく、役割はボールボーイに。悪化した右ひじが疲労骨折しており、手術に踏み切ったからだった。新チームが秋を勝ち上がる姿をボールボーイとして見て、「悔しかった」と話す。12月にようやく復帰し、今春の練習試合ではすでに4本塁打を放った。ひじが使えない状況の間にウエートトレーニングなどで下半身を強化した効果が打撃にも表れている。ドラフト候補として視察を続ける各球団のスカウト陣も、「スイングスピートが速くなった」「すごい」と言葉をそろえる。
対戦したい相手として挙げる大阪桐蔭には昨春の近畿大会、夏の甲子園、秋の近畿大会と3季連続で対戦したが、林は夏の代打での1打席しか出場していない。今大会、組み合わせでは対戦の可能性は決勝しかない状況になった。一戦、一戦ではあるが、「大阪桐蔭と決勝でやりたい」と胸を弾ませる。高嶋仁監督から「林はセンバツで最低3本塁打」と言及されて臨む春。期待に応えるつもりだ。
木村龍之介(近江)
左足腓骨2カ所を骨折、じん帯も損傷していた。所用でこの日の練習試合に帯同できなかった多賀章仁監督も後で連絡を受け、「私がいない時にこういうことが起こってしまった」と悔やんだ。新チームで不動の「1番・センター」を任される予定だった男の離脱。すぐにボルトを入れる手術を行い、12月に除去。1月から少しずつ本格的な練習に復帰した。「ケガをしている間、母に学校まで送ってもらった。感謝しかないです」と話す。その恩返しの甲子園にしてみせる。
齋藤礼二(東海大相模)
関東大会で投げられないにも関わらず、あえて背番号1を託してくれた門馬敬治監督へは、「自分を信頼してくれているのがよくわかりました」と感謝の気持ちでいっぱいだ。1月から本格的に投球を始め、もう不安がないことを明かす齋藤。「甲子園で日本一になりたい」と7年ぶりのセンバツ制覇を狙う。