最高峰のスター選手8名を厳選紹介 MLB入門編<その3>
特大弾で名を馳せたスタントン
約154メートルの特大弾を放ったことがあるスタントン。今年はマーリンズからヤンキースに移籍して、飛ばし屋ジャッジとともにプレーする 【写真:USA TODAY Sports/アフロ】
ところがそのMVPも、このオフはヤンキースにトレードされた。原因は14年のオフにマーリンズと結んだ、総額では北米スポーツ史上最高額となる3億2500万ドル(約346億円)の13年契約にある。この契約はようやく3年目が終わったばかりで、元ヤンキースのデレク・ジーターら新オーナーグループの下で再出発したチームにとって、重荷になると判断されたのだ。トレードの場合は獲得したチームが契約を引き継ぐため、ヤンキースは向こう10年で総額2億9500万ドル(約314億円)もの年俸を負担することになる。
ヤンキースの飛ばし屋ジャッジ
201センチ、116キロの巨漢ジャッジ。昨年はMLBの新人記録となる52本塁打を放った 【写真:USA TODAY Sports/アフロ】
MLBで新人と言えば、プロ1年目やメジャー1年目だけでなく新人王資格のある選手のことだが、ジャッジもMLBデビュー2年目の昨季は、新人王の資格を残したまま序盤からアーチを量産した。球宴前日のホームラン競争で優勝し、レギュラーシーズンではマーク・マグワイア(アスレチックス)の新人最多本塁打記録を30年ぶりに更新。01年のイチロー以来となる新人王&MVPのダブル受賞の期待もかかったが、新人王には満票で選ばれたものの、MVP投票では次点だった。
身長165センチの安打製造機
身長165センチと小柄ながらパンチ力も兼ね備えるアルテューベ。昨年は2年連続3度目の首位打者とア・リーグMVPでアストロズのワールドシリーズ制覇に貢献した 【写真:USA TODAY Sports/アフロ】
さらにメジャー2年目の12年から6年連続で30盗塁以上を記録し、うち2度の盗塁王と打って良し、走って良し。15年には各ポジションで最も守備の優れた選手に贈られるゴールドグラブ賞も受賞するなど、アストロズのA.J.ヒンチ監督が「パーフェクト・プレーヤー」と呼ぶのはダテではない。
ファンから人気が高いハーパー
派手な言動と激しいプレースタイルでファンの人気も高いハーパー。昨年のオールスターでは両リーグ最多の463万306票を集めた 【写真:USA TODAY Sports/アフロ】
とにかく、何もかもが規格外。少年時代は「神童」と呼ばれ、高校時代にはアメリカで最も有名なスポーツ雑誌『スポーツ・イラストレイテッド』の表紙を飾った。その時のコピー「野球界の選ばれし者」に並べられた言葉が、打っては「570フィート(約174メートル)のホームラン」、投げては「96マイル(約154キロ)の速球」、そして当時の年齢の「16歳」。その後、飛び級で短大に進学すると、10年のドラフト全米ナンバーワン指名でナショナルズに入団し、12年には19歳で新人王に輝いた。
メジャー4年目の15年は自己最多の42本塁打でホームラン王を獲得し、打率3割3分0厘はリーグ2位。この年、満票では史上最年少でナ・リーグMVPを受賞した。派手な言動や激しいプレースタイルでも注目を浴びるハーパーはファンの人気も高く、昨年のオールスターでは両リーグ最多の463万306票を集めている。オリックスの吉田正尚がこのハーパーに憧れて、プロ入り時に同じ背番号「34」を希望したというのは有名な話だ。
なお、現在のMLBを代表するスーパースターといえば、真っ先に名前が上がりそうなのはエンゼルスのマイク・トラウトだが、大谷のチームメイトである彼の紹介は、また別の機会に譲りたい。