無敗馬決戦「バケモノ」はどの馬だ! 大注目トライアル、弥生賞の記者座談会

競馬専門紙「優馬」

“バケモノ級”オブセッションがまとめて面倒を見る?

前走シクラメン賞を2歳レコードで制したオブセッション(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

佐藤直「とにかく3戦3勝の2頭が走ることは間違いないが、2戦2勝のオブセッションも相当な器だぞ。賞金の足りている2頭とは違い、ここは3着までに入って本番の出走権を得ることが大目標となるけど、その先を考えれば悪くとも2着で賞金を加算しておきたいところだろ。調教の中身もレベルアップしているあたり、ライバルに仕上りで差を付けて臨んできた感を受けるな」

伊利「昨年の皐月賞でアルアインを推奨した時に“毎日杯を1分46秒台で勝てばクラシック級”と言いましたが、2歳12月の時点で阪神1800mを1分45秒6で走破してしまったオブセッションは、クラシックどころか歴代の名馬に肩を並べる可能性を秘めていると言えますよ」

馬場オブセッションは、2戦ともに単なる良い馬の勝ちっぷりではなく、パフォーマンスがバケモノ級だったと思います。この馬も中山コースへの対応が鍵とはなりますが、ポテンシャルの高さでこなしてくれるはずですよ」

久光「ただ、ワグネリアンにも同様のことが言えますが、オブセッションの前走はハイペースを待機策から突き抜けたもので、今回はスローへの対応も鍵となるでしょうね」

小島「ここまで挙がった無敗馬3頭で、僕が最も危ういと思うのがオブセッションなんですよ。スタートに不安のある馬で、過去2戦は広いコースに助けられた感を受けましたし、相手強化に加えて器用さを求められる中山で、これまでと同じ競馬では厳しいかと思います」

デスク「あとは“負けたことのある馬たち”の話になるが、唯一の敗戦がGIホープフルS2着のジャンダルムは、意外にも誰も◎がないんだな」

守屋「ホープフルSは年明けの京成杯よりも決着タイムが遅かったですし、3着馬が共同通信杯で10着と惨敗したように、ちょっとレースレベルに疑問符が付きますね。少なくとも、同じGIながら朝日杯とはかなりの差があったと見るべきです」

那谷「2週続けて抜群のキレ味を披露して、仕上げに関しては何の不安もないジャンダルムだけど、陣営が気にしていたのは相手関係よりも距離の方。“ホープフルSでは距離のメドが立ったと言うより、克服したという感じ。追ってからの反応の速さやキレ味は、母系からも本質はマイラー”というのが池江寿師の見立てなんだ。このメンバー相手でも大きく崩れることはなさそうだけど、コース経験を強味にどこまで迫ることができるか、といったところだろうな」

坂倉「僕はホープフルS組から4着のサンリヴァルを狙ってみます。その前走は、差し追込み勢が上位に台頭した中、先行勢では唯一掲示板を確保したもので、一旦は抜け出す場面もあったように、ペースを考えれば負けて強しの内容です。コースを2度経験した強味も生かせるはずですよ」

広田「陣営も、前走については“展開を考えれば悲観する内容ではない”とのことでしたし、頭数も減って展開利が見込めそうな今回は色気がありそうでしたよ。ただ、あまりにもスローになって瞬発力勝負となるのも分が悪そうで、平均ペースで縦長の隊列になれば、早目先頭からの押し切りも可能でしょうね」

小島「あと、可能性があるのはリビーリングです。初戦が物見をしてフワフワしながら勝ったものでしたが、2戦目はきちんとゲートを出ましたし、道中でも流れに乗れてレースぶりが一変していました。陣営に言わせると、2着も“少しモタれた分”で、粗削りな面を残していますが能力は高い馬です。今回は集中力アップのためにシャドーロールを着用して臨みますが、相手が強いのはわかった上での出走ですし、ノーチャンスだったら自己条件を使っているはず。脈はあると見ていいでしょうね」

小野智「ここ2週、追い切りで跨いだ戸崎圭騎手も“乗った感じや動きも良かったですよ”と、いい表情を見せてましたけど、“でも、正直言って相手が強過ぎますよね”とも」

木谷「上位勢の壁は厚そうですが、僕の本命もリビーリングなんですよ。目の前で見た新馬戦のインパクトが忘れられなくて……。大化けするとしたらこの馬かなぁ、と思ってるんですが……」

デスク「何だか堅そうで、馬券的にはあまり気乗りしないんだけど、ここは予想成績も目下絶好調の馬場ちゃんが、“バケモノ級”と言うオブセッションに乗ってみようじゃないか。俺も若い頃は“バケモノ級”と言われた時代があったんだけどな……」

木谷「それが今では、バケモノではなく、品位や理性のない“ケダモノ”に成り下がっているわけですか」

デスク「そだねー」

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競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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