中山記念は重賞実績がモノを言う 良・稍重馬場なら穴馬の出番なし!?

JRA-VANデータラボ

実力馬が顔をそろえる一戦

 今週日曜日は中山記念が行われる。大阪杯や安田記念など、今春のG1を目指す古馬の実力馬が顔をそろえる一戦だ。今年は登録の段階で少頭数となってしまったが、G1馬の出走があり例年と同じようにハイレベルなレースとなりそうだ。過去10年の同レースを分析し、今年の展望をしてみたい。データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

過去10年の中山記念の好走馬(1)

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 まずは過去10年の中山記念で3着以内に好走した馬を見ていくことにする(表1参照)。昨年優勝のネオリアリズムは次走香港でクイーンエリザベス2世Cを優勝。その他の勝ち馬にはドゥラメンテ、ジャスタウェイなど、超一流の実績馬が名を連ねているレースだ。昨年3着のロゴタイプもそうした実力馬で、本馬に至っては15年のレースで2着、14年のレースで3着と、3回も好走を果たしている。この中山記念というレースでは昔からこうした特徴がある。過去10年ではシルポート、そしてカンパニーがロゴタイプのように複数回好走を果たしている。

 同じ条件だからといって同一重賞を複数回好走するのはそんなに簡単なことではない。実力があってもその時の調子や展開・馬場状態で、結果がガラリと変わるのが競馬だからだ。しかし、ロゴタイプやシルポートは脚質面の特徴を生かし、展開面で常にアドバンテージを取っていると考えられる。中山記念での各コーナーの位置取りを見ると、2〜4コーナーにかけて先頭か2番手で通過している。カンパニーは差しのイメージが強いが、このレースでは2番手追走から押し切る競馬で08年と09年は連勝した。

 主導権を握りにいくと目標になる不利はあるが、ここは中山芝1800mが舞台。先手をつかんでペースを作れるメリットの方が大きそうだ。ただし、ただ逃げればいいというわけではない。実績に裏打ちされた実力がなければ厳しいと考えられる。

過去10年の中山記念好走馬(2)

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表1で記した好走馬の実績をチェックしていこう(表2参照)。ロゴタイプは3歳時に皐月賞を優勝。古馬になってからは安田記念を制した。シルポートはマイラーズCを優勝。カンパニーは晩年に天皇賞(秋)やマイルCSを制しためずらしいタイプだが、以前からG2では力上位を示していた。08年よりも以前に中山記念で2着を果たしている。また、11年の中山記念で逃げて2着だったキャプテントゥーレも皐月賞馬。つまりG2以上で勝ち負けとなる力があった馬ばかりというわけだ。

 逃げ以外で好走した馬たちにもほぼ同じことが言える。とりわけ皐月賞で好走している馬の活躍が目立つ。あるいは札幌記念や天皇賞(秋)、秋華賞でも構わないかもしれない。とにかく芝1800〜2000mのG1で好走実績がある馬が強い

 G2以上の格がない場合は苦しいが、前走中山金杯を勝っている馬にはチャンスがありそうだ。フェデラリストやアドマイヤフジが好走を果たしている。あとは、馬場状態が大事。不良馬場で行われた10年だけが、格下実績馬で決まり、大波乱となった。良馬場か稍重で行われる場合は、力がある馬の地力を信頼したほうがいいレースと言えるだろう。

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