Jの25年間を彩った外国人<監督編> チームを数々の勝利に導いた名将たち

【データおよび画像提供:データスタジアム】

 Jリーグ25年の歴史の中では、多くの外国人監督がチームを率いてきた。今回もデータスタジアム株式会社協力のもと、Jリーグの歴史を振り返る。選手編に続いて外国人監督にフォーカスし、J1での勝利数順にランキングを作成した。

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 なお、Jリーグはレギュレーション変更を繰り返しており、引き分けがないシーズンが存在する。そのため、勝率はすべて「勝利÷(勝利+敗北)」で計算した。

今季ペトロヴィッチが1位となる可能性も

 外国人監督の中でJ1で最も勝っているのはネルシーニョ。1990年代にはヴェルディ川崎(当時、40勝)、2000年以降には名古屋グランパス(26勝)、柏レイソル(72勝)、昨シーズン途中まで率いたヴィッセル神戸(35勝)を合わせて173もの勝ち星を積み重ねた。特に柏時代は10年にJ2優勝、11年はリーグ優勝、12年は天皇杯、13年はナビスコカップ(当時)と、毎年タイトルを獲得し続けた。

 2位にはサンフレッチェ広島(62勝)と浦和レッズ(103勝)で165勝を挙げたミハイロ・ペトロヴィッチ監督がランクイン。今季から率いる北海道コンサドーレ札幌で8勝を挙げれば、ネルシーニョと並んでトップに立つ。「3−4−2−1」をベースとした独自の“ミシャ(ペトロヴィッチの愛称)”システムは、Jリーグではすっかりおなじみとなった。

 ちなみに、共にJリーグ在籍10年を越えるネルシーニョとペトロヴィッチは、それぞれ柏と広島で1シーズンだけJ2を戦っている。その際の勝率はネルシーニョが92%(23勝11分け2敗)、ペトロヴィッチが88.6%(31勝7分け4敗)と圧倒的な数値を残している。

トップ10入りが狙える現役の監督は?

選手としても活躍したストイコビッチ。監督として歴代4位の勝利数を挙げている 【写真:アフロスポーツ】

 3位は“常勝軍団”鹿島アントラーズを計9年率いたトニーニョ・セレーゾ。成績不振により解任された15年シーズンに勝率を落としたが、J1・189試合目の100勝到達は外国人監督としては最速の記録となる。

 セレーゾを含め、4位のストイコビッチ(名古屋グランパス)、7位のオズワルド・オリヴェイラ(鹿島)、9位のホルガー・オジェック(浦和)、10位のレヴィー・クルピ(セレッソ大阪)はそれぞれ1クラブのみの数値。各クラブの一時代を築いた名将が上位に名を連ねている。

 歴代10位(64勝)のクルピは今季からガンバ大阪の監督に就任。5シーズンぶりとなるJの舞台で、さらに数字を伸ばすことだろう。ただし、すぐ下にはC大阪のユン・ジョンファン監督が59勝、サガン鳥栖のマッシモ・フィッカデンティ監督が56勝と迫っている。18年シーズンの成績次第では入れ替わりも有り得る。

湘南・チョウ監督は3度目のJ1をどう戦う?

チョウ監督はJ2で高い勝率を残す。今季はJ1でどんな戦いを見せるのか 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 湘南ベルマーレのチョウ・キジェ監督は、J2で75勝を挙げ、勝率81.5%とネルシーニョやペトロヴィッチに次ぐ勝率を残しているものの、J1では26勝、勝率32.5%と苦戦が続いている。13年の1度目の昇格時は1年で再びJ2降格の憂き目に遭い、2度目の昇格を果たした15年は1年目こそ8位で残留したものの、翌年に17位で降格した。就任7年目で通算3度目の昇格を果たした今季はどう戦い、勝率をどこまで上げることができるか。

 その他、J1では元オーストラリア代表監督のアンジェ・ポステコグルーが横浜F・マリノス、昨シーズン広島を率いたヤン・ヨンソンが清水エスパルスの監督に就任。J2では東京ヴェルディのミゲル・アンヘル・ロティーナ、ジェフユナイテッド千葉のファン・エスナイデル、徳島ヴォルティスのリカルド・ロドリゲス、横浜FCのタヴァレスがそれぞれ就任2年目で躍進を狙っている。

 Jリーグは26年目を迎え、外国人監督だけでも多くのデータが蓄積されてきた。過去のデータを振り返り、比較しながら現在のチームを見ると、また違った発見があるのではないか。

(テキスト:豊田真大/スポーツナビ、グラフィックデザイン:相河俊介)
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