1kmでも速く1%でも高く、究極を求めて 和田毅(プロ野球)×五郎丸歩(ラグビー)
第2回は、プロ野球・和田毅投手(福岡ソフトバンクホークス)と、ラグビー・五郎丸歩選手(ヤマハ発動機ジュビロ)。二人はともに早稲田大学出身。和田投手は今年2月に37歳に。五郎丸選手は同3月に32歳を迎え、二人はベテランと呼ばれる域に達している。しかし、最高峰の舞台で活躍を続けており、今なおパフォーマンスは進化を遂げている。それは、なぜなのか。二人のベースにある過去、トップアスリートに辿り着いた現在、そして未来に見据えるものは――本音で語り合ってもらった。
早稲田時代に描いた夢
和田:3年前の日本シリーズ(ソフトバンク×ヤクルト)で始球式に来られたのは知っていましたが、僕が日本復帰する前の年でしたからね。
五郎丸:僕は福岡出身なのでホークスは好きで、帰省したタイミングなどにヤフオクドームにはよく観戦に行かせてもらっています。内川(聖一)さんとは親交があるのですが、和田さんとはなかなかお会いできなかったのでこのような機会を頂けて嬉しいですね。
和田:ワセダの頃に野球部の仲間と国立競技場での早明戦を応援に行きました。まだ五郎丸選手は入学されていませんでしたが。本当にすごい迫力でした。ラグビーはコンタクトの激しいスポーツ。1試合で体はどれくらい消耗するものですか?
五郎丸:試合翌日に、首が回らなかったり肩が上がらなかったりすることはあります。でも、気合で何とかなります(笑)。僕はプロ野球選手の方が凄いと思います。子供の頃から何でも出来るスーパーマン。出来ない人がラグビーに来るんです。気合で行けますから(笑)。
和田:僕も野茂英雄さんの存在がなければ、メジャーリーグという選択肢が頭になかったと思います。僕もアメリカでは肘の故障があり苦労ばかりでしたが、行ってよかったと自信を持って言えます。若いアスリートの人たちも、もし海外に行ける環境があるとしたら僕は背中を押したいです。無理矢理押し付けるのは良くないですが、本人の意思があるのならば周りが止める必要はないかなと思います。
カラダの回復、リカバリーの重要さ
和田:僕は31、2歳を迎えたあたりから故障をしやすくなったり、足が張りやすくなったりした感覚があります。ケアの回数も増えました。なので練習量もガムシャラにやるのではなく、危険だなと察知すれば途中でやめる勇気を持つようになりました。ただ、年齢と戦うという感覚はまだありませんけど。五郎丸選手はどうですか?
五郎丸:僕がまさにその年齢を超えたあたりですが、自分自身では年齢に関して感じることは何もありません。ただ、体のケアには人一倍気を遣っているつもりです。僕は圧倒的に肉離れのような筋肉系の怪我はない。試合中の骨折はありますが、あれは事故みたいなものです。やはり大切なのは毎日毎日のちょっとした積み重ねです。プロテインを飲むのもそう。その日、その一瞬だけを見れば些細なことだけど、怠けるといつか怪我に繋がってしまう。なので、日々の積み重ねはすごく大切にしています。
五郎丸:僕も同じ種類です。けっこう長く愛飲していますし、代表の方でも使っていました。とにかくリカバリーは、飲むのと飲まないのでは圧倒的に違いを感じますね。試合後は必ず「リカバリープロテイン」を飲みますよ。また、チームで買うことの方が多いんですが、サポートしていただくようになってから、家にも置くようになりました。
和田:こだわりの飲み方ってあります?
五郎丸:僕はスムージーを作ります。プロテインを入れて、冷凍のブルーベリーを入れて飲みますね。美味しいですよ。
和田:あ、それ僕も同じです(笑)。冷凍のミックスベリーを通販で買って常備しています。かなり飲みやすくなりますよね。
五郎丸:ただ、練習でも試合でも終わった後はカラダのケアを絶対にしますし、もちろんプロテインも飲みますよ。試合後に関しては、これはラグビーの文化なんですが、試合が終わってすぐにスタジアムの一室で対戦相手と一緒に食事をしながらお酒を飲むんです。野球ではそのような機会ってありますか?
和田:え!? 対戦相手と? 野球じゃ考えられない。
五郎丸:そうです。海外の場合だとファンの方も一緒の場合もあります。プロテインよりも先にアルコール(笑)。それが文化になっています。ノーサイド精神の一種ですね。自身の体よりもまず、相手をリスペクトする。アイシングなどもその後です。試合後だけですね、唯一ブレイクできる感じは。その日はコーチから何も言われないですから(笑)。