1kmでも速く1%でも高く、究極を求めて 和田毅(プロ野球)×五郎丸歩(ラグビー)
野球とラグビー、互いから得るヒント
和田:今、子どもの数が減ってきています。それは競技人口の減少にも当然つながります。やはり野球選手としては野球をする子どもを増やしていきたい。昔と違い、今は野球をすることが当たり前ではなくなっています。野球の魅力を伝えていかなければいけないと感じています。
和田:じつはホークスのコンディショニング担当は五郎丸選手の所属しているヤマハ発動機ジュビロから昨年入団された方で、ウォーミングアップのやり方が変わったんですよ。野球って、走って体を温めて終わりみたいな流れだった。だけど、今は一定方向の動きだけでなく四方八方に動いたりして細かな筋肉に効率よく刺激を入れられるメニューが増えました。二人一組になって相手を触ったら勝ちとか、ゲーム性のある内容も加わりました。最初は戸惑ったけど、やり出したら結構みんな真剣になるんです(笑)。息を切らして、バテバテになるまで頑張りますよ。
五郎丸:うちのチームにもレスリングコーチがいて、普通にレスリングをします。ただ、それがタックルの技術向上に繋がっている。データを見ても成功率が上がっていますし、なにより選手のタックルに対する意識が変わりました。やっぱり同じ刺激ばかりだと飽きてしまうので、新しいことを導入するのも意識が変わって、前向きに取り組めますよね。
「完成したという感覚はまるでない」
和田:僕も完成したという感覚はまるでない。もっと先にいいものがあると信じている。今でも1キロだって球を速くしたいし、三振をとれる球種も増やしたい。究極は1シーズンを投げて防御率0.00。ただ、そんなことばかり追い求めていると窮屈で野球が出来なくなってしまいます(笑)。ところで、19年には日本でラグビーのワールドカップが行われるじゃないですか。当然、モチベーションになりますよね。
五郎丸:いまだに日本でワールドカップが開催されることを信用していません(笑)。それくらい凄い事だと思っています。選手はもちろん、子どもたちに見てほしいです。僕も子供の頃に福岡でユニバーシアード大会が行われた時にサッカーの観戦に行って、すごく感動したのを今でも覚えていますから。
和田:お互い、まだ輝き続けられるようにこれからも頑張りましょう。
五郎丸:またお会いできるのを楽しみにしています。観戦にも行きたいと思います。