高木美帆が挑む「8年前とは違う」五輪 3000mで5位も、前向きな気持ちで

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どの大会よりも仕上げる努力をしてきた

「8年前とは全然違う大会だと思っています」と高木 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 中学3年生で出場した8年前のバンクーバー五輪は1000メートルで35位、1500メートルでは23位に終わった。当時は五輪に対する心構えができておらず「ただ出ただけ」だった。そして4年前のソチ五輪はまさかの代表落選。「心のどこかには『どうにかなるんじゃないか』という甘えがあった」と、高木は振り返る。一度はどん底に落ちたものの、そこから這い上がり、今回2度目の五輪出場を果たした。この日をどのような気持ちで迎えたのか。

「レースに臨む段階では、特別な気持ちはなかったです。でもこの大会に向けては、今までのどの大会よりも集中して、仕上げる努力はしてきたつもりです。それは前回できていなかった。年齢も年齢(23歳)ですし、8年前とは全然違う大会だと思っています。こういう気持ちで、あと3種目もレースに臨めるチャンスがあると思うと、すごくありがたいことだなと感じています」

 高木が出場しなかったソチ五輪は、オランダ勢が圧倒的な強さを見せて大会を席巻。男女36種目中23個で金メダルを獲得した。一方で日本はメダルなしと惨敗。そして今回もスピードスケート最初の種目である女子3000メートルで、オランダ勢が表彰台を独占した。どこかでこの流れを止めなければ、前回大会の二の舞を演じる可能性すら出てくる。

 12日には女子1500メートルが行われる。前述したように今季この距離で高木は全勝。「練習でのイメージはだいぶ良い」としながらも「3000メートルに集中していたので、シフトチェンジは必要」と語る。またしてもメダル獲得の重圧はかかるが、それに打ち勝つ強さを見せたい。

(取材・文:大橋護良/スポーツナビ)

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