巨人・吉川尚輝、「2番・二塁」への道 指揮官も認めるレギュラー筆頭候補

週刊ベースボールONLINE

高橋監督からの期待は「うれしい」

今キャンプでは強化指定選手の1人。打撃は自身も課題に挙げており、強いスイングを心掛ける 【写真=BBM】

 ルーキーイヤーの1軍出場はわずか5試合に終わったが、昨秋の宮崎キャンプから徐々に存在をアピール。高橋由伸監督も「すごく楽しみな選手。セカンドのレギュラー筆頭候補」とその才能を絶賛し、今春キャンプでは強化選手に指定した。50メートルを5秒7で駆け抜ける脚力を生かしたダイナミックな守備と、果敢な走塁を武器に、待望される「2番・セカンド」をつかむ。

――2年目の今季は、高橋由伸監督も認めているように、セカンドの候補の1人に挙げられています。

 そう言っていただけるのはうれしいですし、レギュラーを取るつもりでこのオフも過ごしてきたので、キャンプでアピールできるように全力でやるだけです。

――昨季2軍では、セカンドで55試合、ショートで54試合に出場しています。

 初めのころは慣れているショートを守ることが多かったんですが、バッティングと一緒で、プロの打球に対応できるようになるまで少し苦労したというか、立て続けにエラーをしてしまいました。ただ、もともと守備には自信があったので、試合に出るうちに、修正はできたと思います。セカンドは中盤以降に守ることが多くなりました。1軍では固定されていないポジションであることは分かっていましたし、求められるところでしっかりやりたいな、と。

 ただ、大学日本代表(京田がショートを守り、二遊間コンビを組んだ)で守ったことはあるんですが、ほとんど経験のないポジションで、動きもショートと逆。慣れない部分はありますけど、難しく考えてもダメだなと感じて、シンプルに、まず捕ることを意識してから良くなっていったと思います。5月に1軍に昇格したときに、井端(弘和)コーチに守備について一から教えてもらえたのも大きかったです。2軍でも教えをずっと継続して守って、試合でのミスも減りましたね。

――具体的にどのようなアドバイスを受けたのですか。

 指摘されたのは、捕球する直前に右手でグラブをたたくクセをやめなさいということと、グラブが地面についていないので、しっかりつけなさいということですね。それまで考えたこともなかったんですが、指摘されたことを意識しただけで、すごく捕球がしやすくなりました。

打席では出塁を意識してプレー

――攻撃面を見ていくと、昨季2軍では96試合に先発出場したうち、56試合で2番起用されています。これは球団からの「1軍で2番を打て」とのメッセージと受け取れます。

 内田監督(順三、現2軍打撃コーチ)に代わってから、ずっと2番でした。「小技もできるようにならなければいけない」とずっと言われていて、送りバントのサインも多かったです。大学までは1番や3番を打つことが多くて、2番を打ったとしても、ちゃんとその打順の役割について考えたことがありませんでした。プロでは送るにしろ、つなぐにしろ、確実性が求められて、あらためて重要な打順ということに気付かされましたし、難しさも感じています。

――2番を打った際の打率は2割9分2厘で2本塁打。ただつなぐだけの2番ではないことが感じられますが、自分なりの2番打者像をイメージできるようになりましたか。

 ランナーがいれば、確実に送ること、つなげることが大事ですが、走者のいない場面では塁に出ること。四球を選ぶことも含めて、1番と同じように、出塁を大事にしたいですし、実際、それを意識してプレーするようになりました。甘ければしっかりと打ちにいって、長打というところも見せたいと思っています。

――昨年の入団前と同じように、周囲が「2番・セカンド」への期待を大きくする中で、吉川選手自身は落ち着いて1軍での定位置争いと向かい合っているように感じます。

 1軍で活躍したい気持ちはずっと持っていましたから。昨季は、1軍どころか、2軍でもキャンプを過ごせなかったので、今季はまず、スタートラインに立てたことが良かったです。セカンドは固定された選手がいないので、1日の中で何か1つでもアピールできるようにやっていきたいですし、競争なので、みんなよりも1歩、2歩リードできるようにやるしかないな、と思っています。

――あらためて、2018年に思い描くビジョンを教えてください。

 キャンプをケガなく、しっかりと乗り切って、開幕戦でのスタメン出場がまず最初の目標です。そして1年間1軍にい続けること。そのためには、レギュラーでなければならないと思いますし、しっかりと結果を残していきたいです。バッティングがダメでも、守備で貢献できるように。自分はそもそも守備からバッティングにつなげていくタイプなので。その守備では極力ミスなく、積極的に攻めていきたいと思います。

(取材・構成=坂本 匠)

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