根岸S攻略のカギは距離短縮と東京実績 カフジテイク連覇へ追い風データ揃った

JRA-VANデータラボ

根岸Sの好走馬と前走成績ほか(過去10年)

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 続いて具体的に、過去10年の根岸S好走馬を見ていくことにする。3着以内に好走した馬と前走レース成績などを記した。前走距離ごとにチェックしていくと、1200m組の主力はカペラSとなる。以前はガーネットSではあったが、いずれにしても中山ダート1200mからの馬となる。1600万クラス組のサマーウインドやヒシカツリーダーも同じだ。ノーザンリバーやタイセイアトムは重賞を勝っており、1200m組は前走勝利している馬でないとかなり厳しいといえる。

 前走1400m組は阪神からの馬が好調。年末のファイナルSやギャラクシーSの好走馬が有力。それよりも前は京都ダート1400mの好走馬が多かった。ダートグレード組は昨年2着のベストウォーリアや13年のセイクリムズンが該当する。ただ、同じダートグレード組でも地方のレースを使っていた馬の好走は案外少ない。

 基本的に中央の重賞組が有力。特に前年の武蔵野S組がいい。前走1600m組はほぼこのタイプであり、16年1着モーニンなど近年は特に多い。こちらも15年3着アドマイヤロイヤル以外は前走5着以内だ。武蔵野Sと根岸Sとの関連性はやはり高いと言えるだろう。

 残る前走中距離組は、基本G1組となる。普通は前年末のチャンピオンズCを使っていた馬に注目。戦ってきた相手が強いため、そこでの着順はあまり気にする必要はない。ただし、過去に東京ダートの重賞で好走実績がほしい。16年3着グレープブランデーや12年3着テスタマッタは、過去にフェブラリーSで連対。昨年優勝のカフジテイクや15年2着のワイドバッハは武蔵野Sで好走していた。G1に出てくるような馬は当然のように重賞実績はあるのだが、コース実績が重要なポイント。東京を得意としている馬を素直に狙うべきだろう

結論

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 以上のことを踏まえて今年の根岸Sを占ってみたい。出走予定馬は表4の通りだ。

 まずは前走1700m以上の中距離を使っていた馬についてみていく。注目のチャンピオンズC組はカフジテイクとキングズガードとノンコノユメ。その内過去に東京ダートの重賞で実績があるのはカフジテイクとノンコノユメ。ただし、ノンコノユメは斤量が58キロ。この点は割り引きと考える。となると、カフジテイクが中心。昨年に続く連覇の可能性は十分とみる。

 また前走師走Sだがサンライズノヴァも面白い。武蔵野Sでは12着と惨敗している点は気になるが、ユニコーンS優勝の実績がある。前走マイル組ではベストウォーリアがいる。ただし、斤量は58キロ。昨年同じ斤量で2着に好走しており軽視はできないが、強く推すことはできない。

 前走1400m組では中央のギャラクシーS連対馬であるアキトクレッセントとブラゾンドゥリスに注目すべきだろう。いずれも東京コースでも実績はあるが、重賞実績があるのは前者。昨年の武蔵野S3着が強調材料だと考えられる。

 前走1200m組は厳しいか。実績的には前走JBCスプリントを制しているニシケンモノノフで、勢いとしてもこの馬しかいない。ただ、その分斤量は59キロを背負わされる。この点がかなり不安である。

文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

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