AJCCは世代交代の一戦となるか? 7歳アクターよりも4歳3頭に有利なデータ

JRA-VANデータラボ

7歳以上の歴戦の古馬と明け4歳勢の戦いの構図

 前回はダート重賞の東海Sを分析したので、今回は中山で行われる伝統のG2・アメリカJCCに注目していきたい。今年は少頭数となりそうだが、ゴールドアクターを筆頭にした7歳以上の歴戦の古馬とミッキースワローら明け4歳勢の戦いの構図となっている。世代交代を印象づける一戦となるのかどうか、2013年以降の過去5年のデータならびに今年の中山芝2200m戦の傾向から好走が期待できそうな馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

アメリカJCC近5年の上位3着以内馬一覧

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 まず表1はアメリカJCC近5年の上位3着以内馬一覧。年によって前半1000m通過のペースがかなり異なり、平均〜速めのペースで流れた近2年は勝ち時計も速くなっている。上位好走馬の上がり3Fはかなりバラつきがあるものの、すべて4コーナーで9番手以内と追い込み型では厳しいことを示している。4コーナー4番手以内だった馬が10頭を占め、直線へ入るまでの位置取りが重要なレースといえる。

 人気別では、1番人気馬が【0.1.0.4】で勝ち馬が出ておらず、昨年2着のゼーヴィントのみと不振傾向。15年には前年の有馬記念で3着だったゴールドシップも7着に敗れている。対して、2番人気馬は【2.0.2.1】で、一昨年のディサイファら最多の2勝をあげ、複勝率80%と非常に高い。また、3番人気馬も【1.1.1.2】で13年ダノンバラードが勝利し、複勝率60%と高い。10番人気以下の激走こそ14年2着サクラアルディートのみと少ないものの、馬連での万馬券は14年・15年の2回とやや波乱傾向の一戦といえそうだ。

アメリカJCC近5年の所属別成績

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表2は出走馬の所属別成績。出走数が多い美浦所属の関東馬が昨年のタンタアレグリアら大半の4勝を占め、連対率16.7%・複勝率22.9%。一昨年、昨年と近2年続けて上位3着までを独占している。それに対して、栗東所属の関西馬は13年ダノンバラードの1勝のみ。関西勢の主力は休養しているか、次開催の京都記念に標準を合わせてくることも要因の一つだろう。勝ち星、それぞれの率ともに関東馬優勢の状況となっている。

アメリカJCC近5年の年齢別成績

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表3は年齢別成績。5歳馬と6歳馬がそれぞれ2勝ずつをあげ、7歳以上の馬は一昨年ディサイファの1勝。勝率では5歳馬がやや抜き出ているものの、連対率ではほぼ変わらない。ただし、複勝率では4歳馬の33.3%を頂点として、年齢が高くなるにつれて下がっていく傾向を示していた。4歳馬は勝ち星こそないものの、昨年は2・3着に好走。出走数が少ないながら、健闘しているといえそうだ。

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