【新日本プロレス】オカダが内藤を下しIWGPヘビーV9 オメガはジェリコとの死闘を制し王座防衛

高木裕美

オスプレイが4WAY制し再戴冠 みのるはベルトと髪を失う

オスカッターでオスプレイが再びIWGPジュニアのベルトを奪った 【写真:SHUEHI YOKOTA/宮木和佳子】

 史上初の4WAY形式で争われたIWGPジュニアヘビー級選手権試合では、マーティー・スカルvs.KUSHIDAvs.ウィル・オスプレイvs.高橋ヒロムの4選手が20分を超えるハイスピードバトルを展開。さまざまな駆け引きの末、オスプレイがスカルを破り、王座返り咲きを果たした。

 オスプレイは場外戦で、やぐら上から3人めがけてのムーンサルトアタックを敢行。スカルはオスプレイに掟破りの逆オスカッターを繰り出すと、ヒロムをテーピングで鉄柵に縛り付けて指折り攻撃。KUSHIDAにはパウダー攻撃を見舞う。オスプレイはヒロムに450°シューティングスタープレスの大技を繰り出すと、ヒロムもTIME BOMBで反撃に出るが、スカルがレフェリーの足を引っ張ってカウントを阻止。現王者のスカルはIWGP王者と書かれた傘でヒロム、KUSHIDAを殴りつけるも、オスプレイはこれをかわしてスパニッシュフライからのオスカッターで3カウントを奪取。至宝を奪い返したオスプレイは「これからはオレの時代」と、自分こそが世界最高のチャンピオンだと主張した。

みのるはNEVERのベルトを失ったと同時に髪の毛も自ら刈り落とした 【写真:SHUEHI YOKOTA/宮木和佳子】

 東京ドーム大会初の「敗者髪切り&ノーセコンド・デスマッチ」として行われたNEVER無差別級選手権試合では、前王者の後藤洋央紀が宿敵・鈴木みのるを破り、約8カ月ぶりに王座返り咲き。敗れたみのるは自らバリカンで髪を刈り、男らしく約束を果たした。

 後藤は4.27広島でみのるにNEVER王座を奪われ、リマッチとなった6.11大阪城ホールでのランバージャックデスマッチでも敗北。なおも執念深くみのるに王座挑戦を迫ると、「何も賭けるものがない」と突き放した王者に対し、「髪の毛を賭ける」と宣言。これに対し、みのるは「敗者髪切りマッチ」として、タイトル戦を受諾した。

 開始早々、みのるはスリーパーで締め落とすと、白目をむいて倒れた後藤を場外へ連れ出してイスで殴打。鈴木軍のセコンドの乱入は阻止されるも、張り手のラッシュで後藤を口から流血させる。だが、後藤はみのるのゴッチ式パイルドライバーを2度にわたって阻止すると、雪崩式牛殺し、頭突きから裏GTR、GTRとたたみかけ、ついに3カウントを奪取した。

 敗れたみのるは試合直後、頭をタオルで隠し、鈴木軍セコンドに連れ去られるも、これを振り切って自らリングイン。後藤が用意したイスをなぎ払い、自ら持ち込んだイスに座って、バリカンで髪を刈り取ってみせた。

「すべてを失う」ピンチを切り抜けてベルトを取り戻し、「ここがまたスタートライン」と王者としての出直しを誓った後藤だが、上がったのはみのるの株と次期防衛戦のハードルばかり。2度も後藤に勝利していながら再リマッチ要求を受け入れ、本来は賭けなくてもいい自らの髪の毛まで賭け、失神KOで秒殺勝利のチャンスを捨ててまで完全勝利にこだわり、敗れれば潔く髪を剃ってみせたみのるの男気ぶりだけが引き立つ結果となってしまった。

EVIL&SANADAが戴冠 垣原が闘病中の高山にエール

EVIL&SANADAがIWGPタッグ王座を奪取 【写真:SHUEHI YOKOTA/宮木和佳子】

 IWGPタッグ選手権試合では、昨年の「WORLD TAG LEAGUE 2017」優勝チームのSANADA&EVIL組が、KESのランス・アーチャー&デイビーボーイ・スミスJr.組を撃破。開始早々、KESの猛攻と反則攻撃でピンチに陥りながらも、SANADAへのキラーボムをEVILが阻止し、逆にスミスに合体のマジックキラーを食らわせると、SANADAがラウンディングボディープレスで勝利。初戴冠となったEVILは「このベルトを支配した限り、シングルのIWGPのベルトと同等の価値まで引き上げてやる」と、長期政権樹立を予告した。

飯伏がCodyを撃破。今年は新日本で何かを起こすと宣言 【写真:SHUEHI YOKOTA/宮木和佳子】

 今大会唯一のノンタイトル戦となった飯伏幸太vs.Codyのスペシャルシングルマッチでは、飯伏が快勝。飯伏はプランチャに巻き込まれて失神したCodyの妻ブランディ・ローデスをお姫様抱っこで救出する紳士的な顔を見せるが、だまし討ちにあうと豹変。Codyをヤリ投げでコーナーに突き刺し、シットダウン式ラストライドを繰り出すと、Codyのレインメーカーを2ではね返し、ダルマ式ジャーマン、カミゴェからのフェニックススプラッシュで3カウントをもぎ取った。3年ぶりのドーム大会を勝利で飾った飯伏は「2018年、新日本プロレスで、何か起きますよ。何か起こします」と、新日本マットへの継続参戦を訴えた。

NEVER無差別級6人タッグ王座はCHAOSの3人がガントレットマッチを制し奪取 【写真:SHUEHI YOKOTA/宮木和佳子】

 5チーム参加のガントレットマッチ形式で争われたNEVER無差別級6人タッグ選手権試合では、バレッタ&矢野通&石井智宏組が王座初戴冠。矢野のインサイドワークで順調に勝ち進むと、最後はバレッタが王者組のタマ・トンガをデュードバスターで粉砕し、第15代王者組となった。

ニックがYOHをシャープシューターで捕獲し決着 【写真:SHUEHI YOKOTA/宮木和佳子】

 オープニングマッチのIWGPジュニアタッグ選手権試合では、ザ・ヤングバックスのマット・ジャクソン&ニック・ジャクソンがロッポンギ3KのSHO&YOHを倒し、7度目の王座戴冠。監督のロッキー・ロメロをも花道上にパワーボムで投げつける非情さで、最後はニックがYOHをシャープシューターで捕獲。だが、試合後、ロメロ監督がさっそく新王者組に再戦を要求し、札幌でのリマッチが決定的となった。

第0試合となったニュージャパンランボーでは垣原賢人が優勝。元Uインターの盟友・高山善廣にエール 【写真:SHUEHI YOKOTA/宮木和佳子】

 また、第0試合の「ニュージャパンランボー」では、21選手による時間差バトルロイヤルを制した垣原賢人が、元Uインターの盟友・高山善廣にエール。14年より悪性リンパ腫と闘病中の垣原は、「オレだってここまで回復することができた。帝王なら必ず克服することができる。オレはそう信じている」と、昨年5月より頸髄完全損傷でリハビリ中の帝王に熱いメッセージを送った。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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