歴史に残る“クラシコ”は見られない? バルサとレアル、両チームの対照的な現状
クラブW杯を制するも、優勝への道のりは遠いレアル
とはいえ、ラ・リーガが全てではない。レアル・マドリーは16日に4年間で3度目のクラブW杯優勝を成し遂げたばかりだ。監督としてはわずかな経験しか持たないジネディーヌ・ジダンは、スターぞろいのロッカールームを巧みにマネジメントしながら、素晴らしい成功を手にしてきた。
2年連続で世界王者となったレアル・マドリーだが、その過程は楽なものではなかった。地元アブダビのアル・ジャジーラに敗退の一歩手前まで追い詰められた準決勝では、ほぼ常にゲームを支配しながら相手GKの好守とゴールポストに数々の決定機を阻まれた末、ビデオアシスタントレフェリーの不適切な使い方によりカゼミーロのゴールが取り消される不運まで重なった。
決勝も簡単な試合ではなかった。後方の守備を固め、厳しい肉弾戦に持ち込んできたグレミオに対し、レアル・マドリーは直接FKによる1ゴールのみで勝利を手にした。大舞台に強いクリスティアーノ・ロナウドが決めた決勝点は、正しく配置されていなかった人壁の不備を生かしたものだった。
バルセロナと同様に、レアル・マドリーも今季は本来のプレーレベルを取り戻すことができていない。ダニ・カルバハルやセルヒオ・ラモスのけがが続いたことで、ジダンはなかなかベストのDFラインを組むことができなかった。前線ではようやくギャレス・ベイルが復帰したことで、近年多くの成功をもたらしてきた“BBC(ベイル、カリム・ベンゼマ、C・ロナウドの3トップ)”の復活を期待する声が高まっている。
今回のクラシコにおける3つの注目点とは?
果たしてレアル・マドリーはクラブW杯優勝で得た勢いをクラシコに生かすことができるのか。ジダンがBBCへの回帰を決断するかどうかも気になるところだ。対するバルセロナはパコの欠場により4−4−2で戦う他ない状況にある。
今回のクラシコについては、さらに3つの注目点がある。1つは入場時にバルセロナの選手たちが花道を作り、クラブW杯を制したレアル・マドリーの選手たちをたたえる「パシージョ」が行われるかどうか。その可能性はすでにギジェルモ・アモールが否定している。
2つ目の注目点は、カタルーニャ州議会選挙(21日)の直後に行われるこの一戦が持つ政治的な意味合いだ。言うまでもなく、バルセロナはカタルーニャ、レアル・マドリーはスペインを代表するクラブであり、カタルーニャの独立問題をめぐっては両者の利害が対立している。
3つ目の注目点は、プロになる以前から公式、非公式を合わせてキャリア通算998ゴールを積み重ねてきたメッシだ。彼は最大のライバルチーム、そして長年バロンドールを争ってきたC・ロナウドの眼前でキャリア通算1000ゴール目を決めることになるかもしれない。
クラシコをめぐるさまざまな話題は、全て土曜にその答えを得ることになる。
(翻訳:工藤拓)