幸運な組み合わせも、運任せにはしない 過ちから学んだスペインのキャンプ地選び
キャンプ地をクラスノダールにした理由
クラスノダールはソチに近いだけでなく、カリーニングラード、モスクワ、ニジニ・ノヴゴロドとの距離も等間隔で、4時間以上かかるフライトがない。6月の平均気温も22度ほどで、各試合会場と比べて極端に低かったり、高いことはないのでコンディションは保ちやすいはずだ。
ロペテギのアシスタントコーチを務めるパブロ・サンスとオスカル・カロは、現地視察を行った上で天然芝コート8面、人工芝コート2面にジムやプールも完備したクラスノダールFCのアカデミーの練習施設をベースキャンプ地に選んだ。それは過去の経験に学んだ重要な過ちを繰り返さないためだ。
前回王者として臨みながらグループリーグ敗退に終わった前回のW杯ブラジル大会では、最低気温が6度にまで下がるクリチバをベースキャンプ地に選び、いずれも平均最高気温が25度を超えるサルバドールでオランダに1−5、リオデジャネイロでチリに0−2で大敗した。
ユーロ(欧州選手権)2016では宿舎と練習場が離れすぎ、練習のたびにバスで移動しなければならなかった。今回、練習場と宿泊施設が一緒になっていることを条件に候補を絞り込んだのはそのためだ。
何1つ、運任せにはしない
だがイスコやマルコ・アセンシオ、アルバロ・モラタ、ダビド・デヘアら新たな戦力の台頭によってチームの顔ぶれは随分と若返り、ブラジル大会で敗退した際の疲れ切った面影はもうほとんど残っていない。バルセロナのメンバーがチームの骨格を形成していた以前とは違い、レアル・マドリーやプレミアリーグ勢が増えた現在は、所属クラブのバランスも整っている。
何1つ、運任せにはしない。今回のスペインからは、そんな意思が感じられる。
(翻訳/工藤拓)