幸運な組み合わせも、運任せにはしない 過ちから学んだスペインのキャンプ地選び

組み合わせに恵まれたスペイン

W杯ロシア大会の組み合わせ抽選会で、スペインはグループBに入った 【写真:ロイター/アフロ】

 12月1日(現地時間、以下同)に行われたワールドカップ(W杯)ロシア大会の組み合わせ抽選会で、スペインはポルトガル、イラン、モロッコとともにグループBに入った。その結果、早くも決勝トーナメント進出のみならず、8強入りも濃厚と楽観視する意見まで耳にする。だがフレン・ロペテギ監督はあらゆるディティールに気を配り、前回大会で犯した過ちを繰り返さないよう注意を喚起している。

 6月15日にソチで対戦するポルトガルは、スペインにとって大きな障害となる可能性がある。だがその後は20日にカザンでイラン、25日にカリーニングラードでモロッコと、格下との対戦が2試合続く。

 スペインとポルトガルが1、2位を争うことは間違いだろう。決勝トーナメント1回戦の相手がグループAのロシアかウルグアイとなることも確実だ(その他、サウジアラビアとエジプトが同居)。グループ首位通過の場合はモスクワ(7月1日)、2位通過の場合はソチ(6月30日)がその舞台となる。

8強入りの可能性は高い

抽選会には元代表のプジョルが参加。スペインは優勝候補の一角に挙げられている 【写真:ロイター/アフロ】

 首位通過でベスト8に勝ち進めば、7月7日にソチでアルゼンチンかクロアチアと当たる可能性が高いが、デンマークが勝ち上がってくることも考えられる。2位通過なら7月6日にニジニ・ノヴゴロドでフランス、クロアチア、アルゼンチンのいずれかとぶつかることになるだろう。当然ながら、対戦相手のレベルは勝ち進むにつれて上がっていく。

 ロペテギの就任以降に維持してきたプレーレベルの高さ、そしてW杯予選の素晴らしい勝ち上がりにより、スペインはドイツ、ブラジル、フランスとともに優勝候補の一角に挙げられるようになった。決勝トーナメント1回戦のライバルとなり得るホスト国のロシアはビッグネームが不在の「不作の世代」で、ウルグアイも守備は堅いがクリエーティビティーに乏しい。そう考えると、スペインがベスト8進出を果たす可能性は高いと言える。

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著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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