強豪勢揃いで競馬記者の◎はバラバラ ダート頂上決戦、チャンピオンズC座談会

競馬専門紙「優馬」

明らかに不当な人気薄? この馬にもチャンスあり

打越「デスクあたりは忘れているかもしれないが、ゴールドドリームは今年のフェブラリーSを勝った馬。ドバイと帰国緒戦の帝王賞での大敗は状態の問題と言えるけど、そもそも2000mは長い馬だからな。出遅れた前走の南部杯でも、終いの伸びは上々だったし、追い切りの動きからも復調は見て取れるよ。キャリアの差で惨敗した昨年とは違う走りを見せてくれるんじゃないかな」

瀬古ゴールドドリームの前走は、大出遅れと言っていい部類で、残り1000mあたりから早目に進出を始めた形でしたが、あれだけ長く脚を使わされながら最後まで止まらずにメンバー最速の上がりをマークしたあたりに改めて能力を感じさせられましたね。この中間は、駐立の悪さを解消するべくゲートに縛っての練習だけでなく、プール調教も取り入れていますが、これは脚元の問題ではなく、人を頼って泳ぐために従順になる効果を期待してのものだそうです。そのゲートについて“本番でスイッチが入った時にどうなるかはわからないが、練習では大丈夫。昨年は出遅れて仕掛けたところで折り合いを欠いてしまったが、五分に出てリズム良く走ることができれば”と、平田師は巻き返しに意欲を見せてました」

武井「僕はアポロケンタッキーが怖いと思います。とにかく不器用な馬で、いかにスムーズな競馬ができるかが鍵となりますが、前走は序盤で外から被せられて動くに動けない位置取りとなった上に、ラップの緩急にも翻弄されて全く力を出せていませんでした。サウンドトゥルーの追撃を凌いだ2走前の日本テレビ盃では、速いペースを好位で運べたように、以前よりもポジションが取れるようになっていますし、積極的な競馬で前走のように被されることなく運べば、巻き返しも十分に可能ですよ」

桜井コパノリッキーと同様にアポロケンタッキーもスタートが速い方ではなく、揉まれない位置で競馬をしたいクチですから、こちらは外枠が絶好枠と言えますね。山内師は“道中の位置取りは流れ次第になるが、外を回ってもいいから早目にスパートして、長くいい脚を使える強味を生かしたい”と。ビシビシ追われた最終追いもそうでしたが、直前の金曜日にも坂路を2本登坂するなど、意欲的な調教も目立ちます。ゴチャついて不完全燃焼に終わった前走は度外視して狙う手はありますね」

目黒「今年は根岸Sで初重賞Vを遂げてドバイ遠征も経験したカフジテイクは、1400mまでしか勝ち鞍がなく、1800mに出走するのも昨年のこのレース以来となりますが、厩舎スタッフの表情は意外と明るいんですよ。“以前より、トモに力が付いてスタートも普通に出るようになった。前走も福永騎手によれば、行かせれば好位のポジションも取れそうだったとのこと。東京コースだったので終いに賭ける競馬をしたと思うけど、結果的に流れが向かなかっただけで、上がりは最速の脚を使ってくれたし、課題として考えていた3〜4角のコーナーリングも問題なかったからね”とは湯窪助手。条件戦を走っている時から使いながら調子を上げていくタイプでしたが、調教担当の山本助手も“毛ヅヤもいいし、叩き3走目で本当に体調が良くなっています。乗り方はジョッキーに任せると思いますけど、追い切りの前に既に過去のVTRを見てくれていたようで、色々と聞かれましたよ”と、鞍上の手腕にも期待しているようでした」

清野カフジテイクは、昨年もあと一歩の4着まで来ていましたし、年明けのフェブラリーSでは1番人気にまでなった馬ですからね。初コンビとなるルメール騎手が、どんな競馬をするかも見ものですよ」

瀬古「よく似たタイプですが、近走の対戦比較でそのカフジテイクを上回っているキングズガードも侮れませんよ。GIの流れなら、課題の折り合いにも苦労することはないはずですし、このメンバーでも決め手で遜色はない馬です。人気的に気楽に乗れる立場を生かしての、無欲の追い込みに賭けたいですね」

久光「あと、穴中の穴なら、叩き3戦目で大幅な上積みが見込めるモルトベーネを挙げておきたいですね。僕は理想と見ている内目の好枠から差す競馬が実践できれば、人気ほどの差はないと思いますよ」

デスク「さて、最後に真面目バージョンの木谷先生に、◎ミツバの根拠を語ってもらうことにするが、実は持木も◎を打っていたんだな、こんな馬に」

持木「こんな馬で申し訳ありませんが、ミツバは、気難しさを見せての大敗もあるとはいえ、力を出し切れば勝てる力はありますよ。強力な逃げ馬が不在な中で、行こうと思えば前に行ける脚質も魅力です」

木谷「前走のJBCクラシックで3着と、一線級とも互角に渡り合っていながら、こんなに人気がないのはオイシイですよね。その前走は前々で粘り込む形でしたが、元々は中央ダート29戦中18戦で上がり3F最速をマークしているように決め手もあるタイプ。東京ダート2100mでのオープン2勝の時計・内容からこの条件も合うはずです。安定感に欠けるタイプですが、昨秋以降は10戦5勝と勢いがあるので、一発あっても不思議はないと思いますよ」

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競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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