ブラサカとの出会いが人生を変えた 日本代表選手が誓う東京でのメダル
東京五輪で恩返しを
取材中は、筆者の目を真っすぐ見つめて質問に答えてくれた 【スポーツナビ】
だが「今でもまだまだだと思っています。ゴールを決めても『あそこはこう蹴れば良かった』という後悔があったりする。満足したら終わりだと思っています」と、32歳になった今でも、サッカーへの向上心は高まるばかりだ。
残り約1000日に迫った20年の東京パラリンピックには、開催国として初出場することが決まっている。日本はまだ、パラリンピックに出たことがない。15年のアジア選手権では上位2チームに入れば16年のリオデジャネイロ大会への切符をつかめたが、結果は6カ国中4位で、悲願の初出場を逃した。
加藤は北京、ロンドンと合わせて計3度、大舞台の夢を絶たれてきただけに「ただ出ればいいというわけではない。最低でもメダル、一番は金メダルを取りたい」と気合十分。まずは12月9日からマレーシアで行われるアジア選手権で優勝を勝ち取り、そのための自信をつけていきたいところだ。
パラリンピックでのメダルには、加藤にとってもう一つの意味がある。
「ブラインドサッカーに出会っていなければ、今の自分はないと思う。見つけてくれた両親や、周りで支えてくれた方へ、感謝の気持ちをメダルで伝えたい」
失明してから加藤の目は「(目の前に)手をかざしたりどけたりすると、わずかに光を感じる」程度にしか見えないという。だが、力強く目標を語る瞳は、確かに未来への光を映していた。
(取材・文:守田力/スポーツナビ)
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