打線のマイナーチェンジがはまった侍J 稲葉監督の「最後の迷いどころ」は!?

中島大輔

6番・外崎もカギを握る

追い込まれてからの粘り強さと勝負強さを買われ6番を任される外崎。この日は先制打を放つなど2安打をマークした 【写真は共同】

 以上のように考えると、韓国戦のスタメンはおそらくこうなるのではないだろうか。

1(二)京田
2(遊)源田
3(D)近藤
4(一)山川
5(右)上林
6(左)外崎
7(三)西川
8(捕)甲斐拓也(ソフトバンク)
9(中)桑原将志(横浜DeNA)

 その際、3番でより生きるのが近藤だ。前日には左中間に2本の二塁打を放ち、この日は右中間にタイムリー二塁打を放った。「右中間、左中間の打球は調子のバロメーターになっています」と話すように、すこぶる状態がいい。足のある京田、源田を一塁に置いて近藤が外野の間を破れば、電光石火で1点をもぎ取ることができる。

 加えて上林を5番で起用すれば、上位打線がためた走者をかえすだけではなく、下位打線にチャンスが広がっていく。そうした打線を組む上で、カギになるのが外崎だ。2日続けて6番で起用した右打者について、稲葉監督はこう話している。

「追い込まれてからの粘り強さも勝負強さもあります。6番もポイントになってくると思います」

16日からいよいよ本番

 一方の投手陣は、先発の多和田真三郎(西武)から計7人で完封リレー。7回から石崎剛(阪神)、又吉克樹(中日)、山崎康晃(DeNA)とつないだ形が、本大会でも必勝パターンになると指揮官は話した。

「中継ぎは専門職ばかりなので、安心して送れると思います。石崎投手はパワーポール、又吉投手はキレと、同じサイドでも持ち味が違うタイプだと思います。見ていて、二人の継投は面白い。(二人の)順番は展開やバッターで変わっていくと思います」

 計2戦の練習試合で投打ともに形ができ、5日間の宮崎合宿は終了。「チームが一つになれたのは大きかった」と稲葉監督は手応えをつかんだ様子だ。

 充実した日々を過ごした侍ジャパンは14日の移動日を挟み、15日に東京ドームで前日練習をこなした後、翌16日からいよいよ本番に臨む。

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著者プロフィール

1979年埼玉県生まれ。上智大学在学中からスポーツライター、編集者として活動。05年夏、セルティックの中村俊輔を追い掛けてスコットランドに渡り、4年間密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『プロ野球 FA宣言の闇』。2013年から中南米野球の取材を行い、2017年に上梓した『中南米野球はなぜ強いのか』(ともに亜紀書房)がミズノスポーツライター賞の優秀賞。その他の著書に『野球消滅』(新潮新書)と『人を育てる名監督の教え』(双葉社)がある。

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