ジャンプの名門雪印、それぞれの挑戦 変化探る若手と見守る原田監督
原田監督が語る「強さ」
清水礼留飛(左)を指導する原田雅彦監督(写真は2015年) 【写真は共同】
「『あの選手はああ飛ぶんだ、俺もああやって飛んでみようかな』となるのは、若い選手はだいたいそうなんです。(私が)選手のときもそうでした。船木(和喜)選手が飛ぶからこうやってみなければダメかなとか、よく試行錯誤を重ねたんですけど」
自身の経験から、結局は自分の持っているスタイルが一番だと語る原田監督。それでも若手の取り組みを止めることはない。
「自分でやってみないと選手は納得しません。そうして成長していくんです。コーチになって10年以上経ちますけど、身に染みて思いますね」
雪印メグミルクジャンプチームを引っ張る伊東大貴。日本代表の主力として10年以上活躍している 【写真:アフロ】
「俺はこうなんだ、というのがある。若い頃からそう。筋力的にも(年々)変わってくるはずなんですけど、それでも伊東大貴のジャンプの原点に必ず戻る」
伊東は練習であまり本数を飛ぶタイプではない。またレジェンド葛西は試合前の試技を飛ばず、本番一発勝負で挑むことすらある。立ち返るべき“原点”がしっかりしているから、いざという時に自信を持って飛べるのだろう。若手選手はそれを見つけようともがいているのかもしれない。
3日からは札幌で全日本選手権など国内大会3連戦が行われる。数多く出場する若手選手のなかから、この大会で飛躍のきっかけをつかむ選手は現れるのか。これまでの取り組みを自信に変えるような大ジャンプを期待したい。
(取材・文:藤田大豪/スポーツナビ)