ワールドシリーズはシーズン100勝対決 ドジャースとアストロズの歴史を振り返る
前回のWS出場はナ・リーグ時代
アストロズはヤンキースとの激戦を制して2005年以来のワールドシリーズに進んだアストロズ 【写真は共同】
初のプレーオフ出場は、球団創設19年目の80年。この年、アストロズはシーズン残り3試合の時点で西地区2位のドジャースに3ゲーム差をつけながら、最後の直接対決3連戦でよもやの3連敗を喫してしまう。ペナントの行方がかかったドジャースとのワンゲームプレーオフ。殿堂入りの兄とともにナックルボールの使い手として知られたジョー・ニークロの完投勝利でこれを制し、アストロズはシーズン163試合目にして悲願の地区優勝を飾った。
初のリーグ優勝決定シリーズでは、東地区王者のフィリーズに対し先に王手をかけながら敗退。その後は81、86年とプレーオフに進出し、94年の3地区制施行後はクレイグ・ビジオ、ジェフ・バグウェル・デレク・ベルの「キラーB's」を中心として97〜99年に中地区3連覇を達成。2001年にも地区優勝を飾るが、ことごとくプレーオフで敗れ去る。
04年には300勝投手のロジャー・クレメンスをFAで獲得し、シーズン途中から指揮を執ったフィル・ガーナー監督のもと、初めてワイルドカードでプレーオフに出場。地区シリーズではそれまで3度跳ね返されてきたブレーブスを破り、3地区制では初のリーグ優勝決定シリーズに駒を進める。ところが、ここでも先に王手をかけながら3勝4敗でカージナルスに敗れ、またしてもWSには届かなかった。
その悔しさを晴らしたのが、翌05年シーズンだ。投手陣には20勝のロイ・オズワルトを筆頭にアンディ・ペティット、クレメンスら2ケタ勝利5人がそろい、打線は36本塁打、101打点のモーガン・エンズバーグを中心にランス・バークマン、そして大ベテランとなったビジオも健在。前年に続いてワイルドカードでプレーオフに進むと、ブレーブス、カージナルスを連破し、球団創設44年目にしてワールドシリーズ進出を果たす。
球団初の大舞台では、井口資仁(来季から千葉ロッテ監督)も在籍していたア・リーグ王者のホワイトソックスを相手に、全試合2点差以内という接戦を演じながらもストレート負け。初のWSは、ほろ苦い結果に終わった。
ポストシーズンで過去1度対戦
2005年、クレイグ・ビジオ(中央)らを擁し、チーム初のワールドシリーズに進出したアストロズだが、ホワイトソックスに敗れた 【Photo by Jed Jacobsohn/Getty Images】
そして、この両チームは過去に1度だけポストシーズンで対峙している。それが変則プレーオフとなった1981年のことだ。この年は選手会のストライキによってシーズンが中断した影響で、苦肉の策でスト前を「前期」、スト後を「後期」と設定。当時のナ・リーグ西地区で前期1位のドジャースと後期1位のアストロズが、5回戦制の地区シリーズを戦うことになったのだ。
先に王手をかけたのはアストロズだった。第1戦は大エース、ノーラン・ライアンの完投で先勝。第2戦は延長11回裏に代打デニー・ウォーリングの適時打でサヨナラ勝ち。これに対し、ドジャースは第3戦をダスティー・ベイカー(今季までナショナルズ監督)の先制二塁打などでモノにすると、第4戦はルーキーながらサイ・ヤング賞に輝く左腕、フェルナンド・バレンズエラの完投で連勝。最終第5戦もマイク・ソーシア(現エンゼルス監督)のタイムリーなどでライアン攻略に成功したドジャースが、3勝2敗でアストロズを下している。
それ以来、ポストシーズンでは36年ぶりとなるドジャースとアストロズの対決。ドジャースが29年ぶりのワールドチャンピンとなるのか? それともアストロズが球団史上初めて“世界一”の座に就くのか? 注目のWSは明日、10月25日(現地時間10月24日)に幕を開ける。