本気で日本と向き合ってきたフォルトゥナ 会長に聞く日本マーケットの重要性

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日本デスク立ち上げ10年目を迎えて

来日期間中には同じスポンサーを持つ柏レイソルとの親善試合も行った 【スポーツナビ】

――これまでの日本へ目を向けた取り組みはクラブとして何合目まできているなと感じていますか?

 ここまでの9年で、まずはベーシックな部分となる20%を作ることができたと思っています。それは瀬田という人間の貢献がかなり大きかったと思っています。ただここからは、残りの80%。ここからさらにもっと可能性を実現していくために必要な80%というものは、彼1人だけでなくてクラブ全体がもっともっと彼をサポートしていかなければいけない。

 そういう意味で今回のアカデミーチームの遠征でも、クラブのトップである私がついて来て、クラブが日本デスクというものをサポートしてやっていくんだということを明確に示しています。

――今回アカデミーチームの日本遠征という一つの成果が現れましたが、今後は具体的にどのような取り組みを行っていきたいと考えているのか。可能な範囲で具体的に教えていただけますか?

 今回こうやってアカデミーのチームを日本に連れてきて、経験も含めて非常に大きな成果だったと思います。この時点で20%と言ったものの、次のステップを踏めたというふうに感じています。

 大きな将来的な目標として、フォルトゥナ・デュッセルドルフというものを日本の中でより有名なクラブにしたいと思っています。そうすることでデュッセルドルフという街自体も日本でより知名度が上がる。それをしっかりと目指していきたいと思います。そのためにチームをもっと強くしなければいけない。その上で、将来的には日本人選手がトップチームで継続的に1人だけではなくて2人くらいプレーしていけるようなクラブになればと思っております。

 それがいつ、どれくらいの早さで実現できて、形になっていくかということはもちろん状況によりけりで、現場の様子やパフォーマンスであったり選手の能力など、いろいろな側面が合わないといけない。それでも総合的に見て、継続的にトップチームに2人日本人を持っていたいというのは、われわれの明確な目標の1つです。そういう意味でも、まずは今回宇佐美選手をしっかりと取れたということは非常にうれしいです。

――フォルトゥナにとって日本は今後もずっと大切な存在ではあると思いますが、今後の日本サッカー界に期待していることはありますか?

 日本に求めていることは、われわれのクラブをもっと知ってほしいですし、見てほしいと思っています。また、今回の遠征では日立という同じスポンサーを持つ柏レイソルとの親善試合も行いましたが、そういったJリーグクラブとの関係をもっともっと強めて、いろいろな交流ができればと思っています。そういうことを通じて、日本とフォルトゥナの双方にとっていい関係を作っていけたらいいなと思います。

(取材:澤田和輝/スポーツナビ)

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