【全日本プロレス】諏訪魔が宮原を下し史上最多三冠王者に 横浜文体でドーリングとの初防衛戦へ

高木裕美

秋山&大森は絶好調で世界タッグ奪取へ

秋山(左)&大森(右)は絶好調で世界タッグ奪取を狙う 【写真:Yanomori tomoaki】

 第5試合では、秋山準、大森隆男組が元世界タッグ王者組のゼウス、ボディガー組にわずか5分あまりで完勝。21日の神奈川・横浜文化体育館大会で行われる関本大介&岡林裕二組との世界タッグ王座戦を前に絶好調ぶりをアピールした。

 ゼウス組はゴングを待たずに奇襲攻撃。だが、この日が48歳の誕生日である秋山は、ゼウスを振り切るや大森の救出に向かい、ボディガーの顔面を鉄製看板に打ちつけて反撃。なおもゼウス組は秋山、大森に建て続けに合体タックルを浴びせるが、ダブルインパクトは大森がかわして不発。孤立したボディガーに大森がアックスボンバー、秋山がエクスプロイダー、大森がスライディングアックスボンバーでフィニッシュ。わずか5分11秒の衝撃に客席も大きくどよめいた。

 秋山のバースデーを祝福する圧巻の圧勝劇に、大森は「仕上げは上々、準備万端。ベルトを磨いて待ってろ」とニヤリ。秋山も「今日が誕生日は関係ないけど、お客さんが乗せてくれてやりやすかった。横浜では2人とも48歳での挑戦になるけど、今日で自信がついた」と、48歳コンビでの戴冠に自信をみなぎらせた。

西村修「選挙に行っていただけますようお願いします」

西村が王座防衛。今月行われる「選挙」について、投票に行こうとPR 【写真:Yanomori tomoaki】

 第4試合の!BANG!TV 世界ヘビー級選手権試合では、第3代王者・西村修がダニー・ジョーンズを退け、4度目の防衛に成功。試合後は勝利の喜びもそこそこに、?選挙活動”にいそしんだ。

 師匠ドリー・ファンクが創設したベルトを守る西村は、3分10R方式の試合ルールにも順応し、1Rではヘッドロック、2Rでは逆さ押さえ込みでペースを握ると、3R開始直後に後方回転エビ固めで勝利を飾った。

 試合後、丸山敦が「あらゆる困難、国境をくぐり抜け、全日本にやって参りました。そのベルトに挑戦します」と王座挑戦を訴えると、西村は「私の一存では決められません。今晩、ドリーさんに国際電話で確認します」と、返事は保留した上で、「私より重要なご案内があります。明日10日は、衆議院議員選挙の公示日です。どの党に入れようと皆さんの勝手ですが、選挙に行っていただけますようお願いします」と、文京区議会議員らしく、国民の選挙への参加を熱心にPRした。

青木&佐藤が若いアジアタッグ王者を一喝

青木(左)と佐藤(右)は若いアジアタッグ王者に戦いの厳しさを見せる 【写真:Yanomori tomoaki】

 第3試合では、21日の横浜大会で行われるアジアタッグ選手権試合前哨戦として、野村直矢、青柳優馬、KAI組vs.青木篤志、岡田佑介、佐藤光留組が激突。王者組の野村、青柳が若さ溢れるファイトを展開するも、元王者である青木、佐藤組がテクニックで凌駕し、場外乱闘、試合後のマイクでも圧倒した。

 挑戦者組は、うつ伏せ状態の青柳の背中に青木がフロッグスプラッシュを浴びせ、ダメージを与えると、逆エビ固めで捕獲。すかさず佐藤も野村を逆エビ固めでとらえる。このピンチをKAIのカットで救われると、青柳がクロスボディーで反撃し、野村もダブルのドロップキックで意地を見せる。だが、10分過ぎに場外戦に突入すると、青木は野村を鉄柵にぶつけてイスで殴打。その間に、KAIが岡田を垂直落下式ブレーンバスターで仕留め、試合自体は王者組が勝利を飾るも、その直後に青柳が青木のラリアットでKOされてしまった。

 チャンピオンチームとは思えないぶざまな姿をさらしてダウンする2人に、青木が「もうちょっとチャンピオンらしくしてもらえないかな。悔しかったら、次の文体、本当に強いところを見せてくれよ」と上から目線で挑発すると、佐藤も「アジアタッグのベルトは持てば強くなるんじゃない。強いやつが持つんだよ。以上!」と一喝。このコメントに、客席からも拍手が起こった。

 横浜決戦は、若き王者組にとっては、目の前の敵に勝利するだけではなく、ファンをも納得させられるだけの試合内容を見せる必要がありそうだ。

「世界最強タッグリーグ」の日程&チーム発表

 全日本プロレスの暮れの祭典「2017世界最強タッグ決定リーグ戦」の日程及び参加チームが決定した。

 今年は全10チームが参加。11.19北海道・真駒内セキスイハイム・アイスアリーナで開幕し、12.12東京・後楽園ホールで優勝決定戦が行われる。

 参加チームは、現世界タッグ王者組の関本大介&岡林裕二(大日本プロレス)組をはじめ、10.21横浜文化体育館で同王座に挑戦する14年の優勝チームである秋山準&大森隆男組、元王者組のゼウス&ボディガー組など。宮原健斗は元WWEスーパースターであるヨシタツと、諏訪魔は今シリーズよりタッグを始動させた石川修司と組んでのエントリーとなる。

 また、昨年は大森とのGET WILDで全勝優勝を飾った征矢学は、ブラックタイガーVIIとの新コンビで参戦。Evolutionを離脱したジョー・ドーリングは太陽ケアとのタッグで優勝を狙う。

出場チームは以下の通り。
秋山準&大森隆男
宮原健斗&ヨシタツ
諏訪魔&石川修司
ゼウス&ボディガー
野村直矢&青柳優馬(現アジアタッグ王者組)
関本大介&岡林裕二(現世界タッグ王者組)
TAJIRI&KAI
崔領二&将火怒
征矢学&ブラックタイガー
ジョー・ドーリング&太陽ケア

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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