【全日本プロレス】史上最多の三冠王座戴冠を狙う諏訪魔 宮原戦、防衛戦、全日本の未来を語る

高木裕美

9日の後楽園ホール大会で宮原との三冠戦に挑む諏訪魔にインタビュー 【スポーツナビ】

 創立45周年を迎える全日本プロレスで長年エースとして君臨し、今年の「王道トーナメント」では、昨年に続き2連覇を達成した諏訪魔。

 9日の東京・後楽園ホール大会では宮原健斗の持つ三冠ヘビー級戦に臨む。大一番を迎える諏訪魔にインタビューを実施。目前に迫った三冠戦、そして王座戴冠となった場合に行われる21日の神奈川・横浜文化体育館大会での初防衛戦について、さらに因縁の小島聡、藤田和之、そして現在リハビリ中の高山善廣について、今後の全日本プロレスについてなど、現在の心境について直撃した。

誰が見ても「コイツ強い」と思わせる王者に

再び宮原(写真)に挑むことになるが「二度同じ失敗は繰り返したくない」と話す 【写真:前島康人】

――まずは、9日の三冠戦について聞かせてください。宮原選手とは昨年の11.27両国国技館大会以来、約1年ぶりのタイトルマッチとなります。前回と比べて、心境的に違うものはありますか?

 場所は違うけど、状況は似ているね。王道トーナメントに優勝しての三冠挑戦。もう1回チャンレンジというのをあらためて感じるけど、今回は絶対に勝ちたいし、二度同じ失敗は繰り返したくないという思いが強い。前回は1月にアキレス腱を切って、そこから復活した勢いで挑戦した。あれから1年。確実にケガも治ってコンディションも去年より上がっている。今年の方がベストだね。

――前回の対戦時は、これまで一度も宮原選手にはシングルで負けたことがなかった状況で、初めて黒星を献上(26分21秒 シャットダウン式ジャーマンスープレックスホールド)しました。宮原選手も、1年前と比べてさらに成長したと感じますか?

 新しい、若い力がどんどん出てきて、1年前はすごい勢いがあった。そこからどうなったのか、去年の両国から1年間、互いに何をやってきたのか、形をぶつけ合う場だと思っている。

――宮原選手が三冠王者になってから、締めの「最高ですか」の掛け合いなど、会場の雰囲気が大きく変わったように感じます。もし、諏訪魔選手が1年9カ月ぶりに戴冠したら、どんなチャンピオン像を目指したいですか?

 ひと目見て、「コイツ強いな。やっぱり、これぞ全日本プロレスの三冠チャンピオンだよな」って、誰が見ても思うようなチャンピオン像を示していきたい。試合後の宮原の「最高」って締め方も、若いからできるかもしれないけど、オレは、ヘロヘロになるまで戦って、それでも最後にリングに立っている姿を見せて、余韻をじわじわ感じてもらえる、「すげえな」と思われるチャンピオンになりたい。まあ、宮原とは真逆だよね。

ドーリングの暴挙は「許せない」

ドーリングには両国の小島戦をぶち壊されたが、「許せない」と怒りを示す 【写真:前島康人】

――今回ベルトを巻けば、三沢光晴選手、川田利明選手の5度を抜いて、単独で史上最多となる6度目の戴冠となります。記録という部分は意識していますか?

 いやー、お2人とも偉大ですからね。当然、とうてい及ばない。オレは、ただ長くやっているだけ。でも、やるからには、何回も記録を突き放すぐらいぶっちぎってやりたい。ただ、今回はまったく記録は意識してない。かなわないんでね、そこは。

――三冠王座を奪取した場合、21日の横浜文化体育館大会では、9日の後楽園大会で行われる石川修司選手vs.ジョー・ドーリング選手による次期挑戦者決定戦の勝者を迎え撃ちます。諏訪魔選手としては、どちらと戦ってみたいですか?

 うーん。どっちもだよね。ジョー、あの野郎。オレの試合をぶちこわして腹立ってる。王道トーナメント準決勝(9.23仙台)では丸め込みで勝ってる(7分43秒 万力固め)けど、ぶっ潰したい。石川はタッグパートナーになったことで、ぶつかったらまた面白いな。どっちとやるのも楽しみだよ。

――ドーリング選手は、7.30大阪大会で「これからは1人でやっていく」とEvolution離脱を表明。その後、8.27両国大会では小島聡戦の試合前に襲撃を仕掛けてきました。王道トーナメントでの1勝だけでは、気持ちの上では清算できていない感じですか?

 全然できていない。両国の試合をぶっ壊された意味が分からない。Evolutionを出て行くなら出ていけばいい。別にオレ1人でもいいしね。でも、両国で乱入してくるなら、正々堂々とやればいいじゃないか。許せないね。

――なぜ、ドーリング選手は、わざわざあの試合で仕掛けてきたと思いますか?

 両国でああいうことをすれば、一番自分の名前をアピールできると思ったんじゃないの。腹立たしいよね。

――もし、横浜で三冠戦となった場合、お互いの感情がぶつかり合う凄惨な試合になる可能性もありますが。

 そこは気をつけたいね。三冠戦なので、そういう試合にはしたくない。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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