ハリル「W杯のレベルからはまだ程遠い」 国際親善試合 NZ戦後の会見
ハリルホジッチ監督はニュージーランド戦後の会見で「W杯のレベルからはまだ程遠い」と語り、選手にさらなるレベルアップを求めた 【写真:高須力】
試合後、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「ボールをもう少し失わないようにゲームをコントロールしないといけない」「FKを得ることができていない」などの課題を挙げ、「ワールドカップ(W杯)のレベルからはまだ程遠い」と、選手たちにさらなるレベルアップを求めた。
また、W杯ロシア大会に向け、「今年はたくさんの選手を見て、それぞれに何ができるのかを見極めることにしたい。そして3月以降は、より選手やプレーの仕方が固定されていくと思う」と、今後の強化プランも明かした。
日本は次戦、10日に日産スタジアムでハイチ代表と対戦する。
ゲームをコントロールしないといけない
前半も後半も得点の機会をたくさん作ったと思う。今夜のゲームではたくさんのシュートを打ったが、枠にいくシュートが少なかった。そして素晴らしいプレーから、それに値する2点目が生まれた。
──香川真司はどうして代表に来るとパッとしないのか?
香川は長い間、けがをしていた。もちろん(今は)彼のトップフォームではない。本人にも、本来のレベルを取り戻してほしいと要求した。プレーをしながら、どんどんよくなると思う。もちろん、他の選手との競争もあるが、よりいいプレーができるようになるだろうし、確実によくなると思う。
たとえば代表に合流する直前のドルトムントでのゲームも素晴らしいものだった。しかし、われわれが知っている香川本来のレベルではない。ボールを持っていないときのプレーをより速くして、どんどんチームメートに絡んでいくことを要求している。トレーニングをしっかり続けて、高いレベルを取り戻すことが必要だと思う。
──出だしの20分は良かったが、その後ペースが落ちてしまった。後半、得点してからも相手にペースを握られた。これらについての分析は?(大住良之/フリーランス)
このような形になるのは初めてではない。毎回ではないが、得点を取った後、止まってしまうことがたまにある。そのような時間帯で相手のCKやスローインが増えることも偶然ではない。ペナルティーエリアに入ってきて、日本の選手が少し焦る場面もあった。つまりゲームをコントロールできず、相手にそこを突かれてしまった。失点の場面も2対1の場面から簡単にクロスを上げられてしまった。そして9番の選手(ウッド)も、イングランドのチャンピオンシップ(2部リーグ)で得点王になったのが偶然ではないというプレーを見せていた。
ただ(日本には)新しい選手がたくさんいることも考えなければならない。私も今日はいろいろと試した。チームとしてのトップフォームから程遠いことも、もちろん私は分かっている。今後の数カ月を使って、しっかりチームの状態をよくしていきたい。自らのレベルを上げないといけない選手も何人かいる。全員がトップフォームでいるわけではない。
次の2試合目(ハイチ戦)も、新しい選手が何人か出てくる。このような形で戦うと、ハイレベルで戦うことは難しくなる。それでも私は、失点した後に(攻撃の)形を作ってスペースを作ったことは評価したい。新たに入った選手たちが、プレーにクイックネスやスピードを与えたと思う。私も今、いろいろと探しているところだ。完ぺきなゲームでなかったことも認識しているが、勝利したので(選手を)たたえたい。
また、対戦相手のフィジカルが強く、いいチームだったことも考慮しなければならない。コンフェデレーションズカップでは、ロシア、ポルトガル、メキシコが彼らに勝利している。大きな点差で勝った試合もあったが、どのチームも勝利するために苦しんだ。ただわれわれも、ボールをもう少し失わないようにゲームをコントロールしないといけないと思う。スピードアップはしっかりと上げて、ペースを落としてボールをもう少ししっかり扱う時は、時間をしっかり使うことも考えないといけない。
そこまで正確にできない、あるいは相手から読まれやすいプレーになってしまったかもしれない。相手はマンツーマンの形でマークしていたが、その激しさでボールを奪われてしまった。また、このようなスリッピーなグラウンドの場合、テクニックのクオリティーも上げていかないといかない。修正点はたくさんある。これからしっかりトレーニングしないといけないが、勝利を収めた。精神的なところで、いい影響があったと思う。何度も攻撃を仕掛け、形を作り、シュートを打った姿勢も良かった。そして、あのような素晴らしいプレーから得点が生まれたのは、このチームにとっての(正当な)報酬でもある。