【DRAGONGATE】「さよならジミーズ」は衝撃の結末 神田が裏切り ススムは横須賀享で再起へ

高木裕美

CIMA&フジイの20周年をみちのくプロレストリオがお祝い

フジイ(前列左)、CIMA(前列右)が20周年。デビュー当時にお世話になった先輩たちであるみちのくプロレストリオと激突した 【スポーツナビ】

 セミファイナルでは、「CIMA&ドン・フジイ デビュー20周年記念スペシャルマッチ」として、CIMA、ドン・フジイ、望月成晃がトリオを結成し、ザ・グレート・サスケ、新崎人生、TAKAみちのく(K-DOJO)のみちのくプロレストリオと対戦した。

 CIMAとフジイは、ウルティモ・ドラゴンがメキシコで設立したプロレス学校「闘龍門」の1期生となり、共に1997年5月11日にメキシコのアレナ・ナウカルパンでデビュー。その後、SUWAとともに3人で結成した「CRAZY-MAX」でみちのくプロレスマットに参戦。その時、20年前の秋田大会で初めて望月と出会い、その後、99年1月の「闘龍門JAPAN」旗揚げ戦で、共に日本での新たな船出を飾ることになった。

 サスケとは、サスケが団体内で孤立し、悪のSASUKEとなっていた時にメキシコまで出向き、日本食に飢えていたCRAZY-MAXのメンバーをカレーで買収。SASUKE組入りさせた経緯があり、後に望月もSASUKE組入りしている。

 人生とは、参戦当時に望月とフジイがセミファイナルで交互に一騎打ちを組まれ、基礎やプロレスのいろはをたたき込まれた相手。

 TAKAとは、CIMAがパスポートを燃やしたり、前髪を切ったり、互いの保険証を賭けて戦ったりと、とんでもないエピソードがある。

 選手が1人ずつ入場し、テーマ曲が鳴るたびに客席もお祭りムードに包まれる中、「遠い世界に行ってしまった」(CIMA談)サスケは、手を触れずに念を送る“非暴力”スタイルで異質なムード満々。ならばと、望月組はサスケをつかまえ、3人でCRAZY-MAXポーズを決めると、さらに望月が股間にカカト落とし、フジイがツッパリ、CIMAがダイビングフットスタンプ。人生は望月に輪廻、フジイに拝み渡りを敢行し、かつてのシングル連戦時代を思い出させる。CIMAはヴィーナス、マッドスプラッシュといったなつかしの技を繰り出すも、フジイが人生につかまり、トラースキック、念仏パワーボムからの極楽固めでギブアップ負けを喫した。

 20年前は連日のようにシングルで望月、フジイと対戦していた人生から「ドラゲーのファンの方々、20周年の記念すべき日に空気を読めなくて、勝って申し訳ない」という謝罪の言葉が出ると、場内は大爆笑。望月に「20年経っても、勝敗もフィニッシュも変わらなかった。まだまだのびしろがある」と励まされたフジイは、「次、25周年の時はシングルマッチでやろうじゃないか」と一騎打ちでのリベンジを要求。CIMAは偉大な先輩たちに感謝の気持ちを示しつつ、最後はなつかしの「クレイジー○ァッキン」ポーズでメモリアルマッチを締めくくった。

ベルト失ったYAMATOは巻き返しを宣言

YAMATO(左)がジェイソン・リーを沈め勝利。ドリームゲートを失ったものの、次の狙いを定めている 【スポーツナビ】

 9.18大田区でオープン・ザ・ドリームゲート王座から陥落したYAMATOは、B×Bハルク、KzyとのTRIBE VANGUARDで、MaxiMuMの土井成樹、吉野正人、ジェイソン・リー組と対戦。髪をかきあげるおなじみの仕草で黄色い声援を起こすと、吉野もすかさず対抗。めまぐるしい攻防の末、ジェイソンが吉野のトルベジーノ、土井のバカタレスライディングキックのアシストを受けてKzyをジャーマン2連発で仕留めにかかったところを、カットに入ったYAMATOがギャラリア2連発で粉砕し、逆転勝利を収めた。

 YAMATOは、ベルトを失ったことを詫びつつも、これからこの3人で面白いことを仕掛けていくと宣言。「ドリームゲートのベルトを失っても、コノオレは最高潮だ。後楽園、今日のオレも最高にカッコ良かっただろ?」と得意のポーズで今後の巻き返しを誓った。

 オープン・ザ・ツインゲート統一タッグ王者であるドラゴン・キッドが、「標的」に定めたはずのBen-Kにまさかの3カウントを献上。ビッグR清水、Ben-K組から挑戦状をたたきつけられた上に、パートナーのEitaからも“公開説教”されてしまった。

 キッドはCIMAとのタッグ「CK-1」で、9.18大田区ではビッグR清水、Kotoka組を退けV7を達成。すでに7.27神戸で土井成樹、吉野正人の土井吉からも勝利していることから、5ユニットサバイバルレース1位通過の「MaxiMuM」完全制圧を果たすべく、残る最後の1人Ben-Kを逆指名していた。

 だが、前哨戦ともいえる大事な一戦で、キッドはBen-Kのスピアーからのスパイラル式のBen-Kボムに完敗。試合後、清水が改めてBen-Kとのタッグで再挑戦を迫ると、キッドは先輩らしく、落ち込み気味のBen-Kにゲキを飛ばすが、ここでEitaが「おい、キッド。チャンピオンが何でコイツらに負けるんですか」とブチギレ。キッドは「せめて、『さん』をつけよう。とりあえず謝っとく。ごめんな」と、後輩に対し下手に出まくり、敵よりも味方に精神的ダメージを与えられる結果となってしまった。

 聖地に“ハリウッド”ストーカー市川が久々に登場。オネェレスラーのヨースケ・サンタマリアと対戦するも、ものの見事に完敗を喫した。

 観客の大歓声にコマネチ4連発でノリノリの市川だったが、ヨースケは市川そっちのけで八木レフェリーにキスを迫りまくる。八木レフェリーも必死に抵抗するが、市川のカンチョー攻撃誤爆で、ついにマリアのエジキに。このキスですっかり“目覚めて”しまった八木レフェリーは、市川が丸め込んでも、しなを作ってなかなかカウントに入らず。キレた市川が「もっと速く!」と迫ると、一転、マリアが丸め込んだ瞬間に高速カウントをたたくが、市川は辛くもカウント2でクリア。

 だが、勢いあまってマリアのピンクのスカートを脱がせてしまったことで、マリアがマジギレ。ラブリーアローからのボンパスで市川を文字通り“圧殺”した。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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