軸最適はソウルスターリングかマカヒキか 毎日王冠の過去10年分データが導く結論

JRA-VANデータラボ

前走人気別成績

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表5は前走人気別成績で、簡潔に「前走1番人気」と「前走2番人気以下」にまとめた。ご覧の通り、前走1番人気馬の成績は抜群。該当する馬がいたら積極的に狙ってみたいところだ。

前走クラス別成績

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表6は前走クラス別成績。G2のなかでも伝統と格式を誇る毎日王冠だけあって、前走でも重賞に出走していた馬が大半を占めている。もっとも、出走例は少ないながらも、前走が1600万下やオープン特別だった馬の好走率もさほど変わらない。該当馬がいれば、思い切って狙ってみる手もあるかもしれない。

前走東京重賞出走馬の前走着順別成績

表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表7は、前走で東京の重賞に出走していた馬に限った前走着順別成績。かなり極端な傾向が出ており、前走1着馬の好走率が非常に高い一方で、前走2〜5着馬は1回も好走できなかった。ところが、前走6着以下馬の好走率は決して低くなく、回収率は優秀。前走で東京重賞に出走していた馬の場合、前走1着か、前走6着以下からの巻き返しを狙うといいようだ。

前走東京以外重賞出走馬の前走着順別成績

表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表8は、前走で東京以外の重賞に出走していた馬に限った前走着順別成績。注目したいのが、前項(前走東京重賞出走馬)では数字がよかった前走1着や前走6着以下がいまひとつということ。むしろ、前走2着や前走4、5着あたりにちょっと負けていた馬のほうが好走率は高く、これは前走東京重賞組とは正反対の傾向といえる。前走で重賞に出走していた馬は、東京かそれ以外かで狙いを変えるのがポイントになってきそうだ。

結論

 今年の毎日王冠の出走登録馬を「前走東京重賞出走馬」と「前走東京以外重賞出走馬」に分けて、データからの有力馬を見ていきたい。

 前走が東京重賞の場合は、前走着順が1着だと好走率が抜群で、6着以下から巻き返すケースも考えられる。オークス1着のソウルスターリングは、3歳馬や前走1番人気という好走率が非常に高いデータにも合致。前走4角2番手というのも安定感があり、軸馬に据えるには最適の存在となりそうだ。安田記念1着のサトノアラジンも有力視すべき1頭だが、6歳馬や前走4角15番手だったことを考えると、ソウルスターリング以上の評価はできない。安田記念4着のグレーターロンドンは、好走例が皆無の前走着順がやはり引っかかる。今回のデータ分析では、ダービー14着のダイワキャグニー、ダービー15着のウインブライトという2頭の3歳馬をより評価してみたい。

 前走が東京以外の重賞の場合は、前走着順が2着や4、5着ぐらいのほうがよかった。大阪杯4着のマカヒキは、好走率の高い4歳馬でもある。前走4角10番手で、これは表4の項で確認した通り、好走時に勝ち切る傾向がある。このデータを味方につけて、久しぶりの勝利で復活の狼煙をあげたいところだ。新潟記念2着の4歳馬アストラエンブレムも無視はできない1頭。中山記念8着のリアルスティールの実績には敬意を表しつつも、今回は2、3着までと考えたい。

文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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