【新日本プロレス】オメガ、復帰戦でUSヘビー級王座防衛 10.9両国に向けオカダとEVILが前哨戦

高木裕美

オカダ、EVIL組に快勝でIWGP防衛宣言

10.9両国で激突するオカダとEVILが激しい前哨戦。この日はオカダが意地を見せた 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 セミファイナルでは、オカダ・カズチカ&ウィル・オスプレイ組がEVIL&高橋ヒロム組に完勝。10.9両国でのIWGPヘビー級王座戦を前に、オカダの必殺技レインメーカーが挑戦者のEVILに炸裂(さくれつ)した。

 オカダは「G1 CLIMAX」公式戦の8.5大阪でEVILに3カウントを献上。昨年の大阪大会から実に1年ぶりの黒星を味わわされた。

 リベンジに燃えるオカダは、エルボー、フラップジャックから、EVILをコーナーに座らせてドロップキックを放つと、場外では鉄柵超えダイブを狙うが、EVILが顔面めがけてイスを投げつけて阻止される。大ダメージを受けたオカダにラリアット、フィッシャーマンバスター、ダークネスフォールズとたたみかけると、首斬りポーズから必殺技のEVILを狙うが、オカダが阻止してドロップキック。大阪の悪夢の再現を防ぐ。ならばとEVILはオスプレイにEVILを狙うも、カットに入ったオカダがレインメーカーを炸裂。すかさずオスプレイがヒロムをオスカッターで粉砕した。

 文字通りの完勝劇にマイクを握ったオカダは「おい、EVIL。超人の倒し方、知ってるらしいな。寝言は寝て言え。10.9両国でIWGPの勝ち方、しっかり教えてあげるから覚悟しとけ、この野郎」と上から目線で勝利宣言した。

両国の内藤戦に向け石井が大爆発

この日は石井が大爆発。内藤に激しくぶつかっていった 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 CHAOSの石井智宏&矢野通&ロッキー・ロメロ組vs.ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの内藤哲也&SANADA&BUSHI組による6人タッグ戦では、10.9両国での東京ドーム・IWGPヘビー級王座挑戦権利証争奪戦に向け、石井が大爆発。権利証保持者の内藤に対し、試合後も殴りかかっていった。

 今年の「G1 CLIMAX」で優勝した内藤だが、石井には7.1米国、7.29名古屋とシングル2連敗中。それでも、眼中にないとばかりに気のないそぶりを続ける内藤に、ついに石井の怒りが爆発した。石井は開始後間もなく、内藤を場外に連れ出し、鉄柵に激しくぶつけていくと、内藤もテーピングが巻かれた石井の右膝へエルボーを打ちこみ、花道へのボディースラム。だが、なおも闘志燃えたぎる石井は、その後も串刺しラリアット連発、ブレーンバスターと攻め立てると、膝への攻撃もモノともせず、エプロンに立つ内藤にラリアット一閃(いっせん)。頭部を強打した内藤が頭を抑えてもん絶し、場外でダウンする間に、BUSHIを垂直落下式ブレーンバスターで仕留め、自ら勝負を決めた。

 だが、試合終了のゴングが鳴っても収まらない石井は、内藤をリング上に押し上げて、チョップ、逆水平チョップを連発。やられまくった内藤は、胸を押さえながら、それでもまだ余裕の残る表情で石井の背中を見送った。

IC王者・棚橋と次期挑戦者候補の飯伏がにらみ合い

棚橋はIC王座次期挑戦者に逆指名した飯伏とにらみ合い 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 IWGPインターコンチネンタル王者の棚橋弘至は、マイケル・エルガンと組んで飯伏幸太&デビッド・フィンレー組と対戦。実現濃厚となったIC戦を前に、棚橋と飯伏が激しく意識し合った。

 両者は「G1 CLIMAX」公式戦となった8.1鹿児島で対戦し、飯伏が初公開の新技カミゴェで初勝利。敗れた棚橋は、9.16広島でザック・セイバーJr.とのIC王座戦を制した直後に、自ら飯伏を次期挑戦者に逆指名した。

 両者は互いに先発を買って出るなどライバル意識十分。飯伏がキックコンビネーション、その場飛びムーンサルトを繰り出せば、棚橋もドラゴンスクリューで対抗。飯伏はジャーマンスープレックス、キックのコンビネーションから、棚橋の両手をつかんでカミゴェのモーションに入るが、エルガンにカットされ、逆に棚橋のスリングブレイドのエジキとなってしまう。さらに棚橋はエルガンにハイジャック式に担ぎ上げられると、そのまま場外の飯伏めがけてフリーフォール。勢いの差を見せ付けた棚橋組が白星を飾ると、試合後はロープをはさんでにらみ合った。

 ヘビー級ではシングル王座戴冠の実績がない飯伏だが、その注目度・期待度の高さは常にトップ級。新日本を退団した現在は「飯伏プロレス研究所」として神出鬼没なだけに、タイトルを獲得して新日本マットへのレギュラー参戦を望む声も高まりそうだ。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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