得点能力が高い打者は誰!? 初めてのセイバーメトリクス講座(3)
選手の得点能力を示す指標(3)
【資料提供:鳥越規央】
鳥越:そうです。wOBAは「weighted On-Base Average」で、各プレーの「得点価値」を算出し、それらの重みを乗せて選手の得点力を算出します。
wOBA={0.55×(四球−故意四球)+0.58×死球+0.92×失策出塁+0.70×単打+1.04×二塁打+1.39×三塁打+1.68×本塁打}×1.25/(打数+四球−敬遠+犠飛+死球)
カネシゲ:最後に“1.25なんちゃら”を掛けているのは?
鳥越:出塁率っぽくするための調整です。平均的な選手のwOBAはリーグ出塁率と同じになるよう調整されているんです。これはRCやXRの進化版みたいなもので、メジャーではこちらの方が重用されています。
カネシゲ:より正確だからですか?
鳥越:「正確」というよりは、「進化」ですね。
カネシゲ:科学が発達してコンピューターが使えるようになって、このセイバーはダメだったな、みたいに取捨選択され淘汰されていく。そんなイメージでしょうか?
鳥越:その通りです。「RCもいいけど、wOBAのほうが説得力あるよね」みたいなカンジです。
2017年9月18日現在。規定打席到達の打者を対象 【資料提供:鳥越規央】
鳥越:そうですね。今日出てきたIsoP、IsoD、RC27、XR27、wOBAで“5冠王”です。
カネシゲ:そりゃソフトバンクが強いわけだ!
【イラスト:カネシゲタカシ】
【イラスト:カネシゲタカシ】
江戸川大学客員教授。「セイバーメトリクス」の日本での第一人者である。野球の他にも、サッカー、ゴルフなどスポーツ統計学全般の研究を行なっている。また、統計学をベースに、テレビ番組の監修や、「AKB48選抜じゃんけん大会」の組み合わせ、「AKBペナントレース」の得点換算方法の開発など、エンターテインメント業界でも活躍中。JAPAN MENSA会員。一般社団法人日本セイバーメトリクス協会会長。