侍J大学代表、長い強化期間で新星登場 ユニバで2大会連続の金メダルを目指す
前回は雨に泣いた金メダル
野球競技の実施は今大会が4度目。第17回大会(1993年/アメリカ・バッファロー)では4位、第18回大会(95年/福岡)では3位に終わったが、前回大会(2015年/韓国・光州)では初の金メダルを獲得した。
だが、それは決勝戦の雨天中止による台湾との金メダルで、選手・スタッフの中には涙を流す者もいるほど悔しさの残るものだった。今回と同じ善波達也監督(明治大)のもと、前回大会の代表22選手は現在プロ野球でプレーする選手が14人もおり、浜口遥大(神奈川大/横浜DeNA)、柳裕也(明治大/中日)、田中正義(創価大/福岡ソフトバンク)、柴田竜拓(国学院大/DeNA)、茂木栄五郎(早稲田大/東北楽天)高山俊(明治大/阪神)、吉田正尚(青山学院大/オリックス)らがそろっていたその強力な布陣で攻守に隙のない野球を展開。予選リーグ3試合と準決勝で合計35得点を挙げ、投手陣は無失点と、着実な戦いぶりで決勝戦に駒を進めた。
それだけに、現在日米球界から熱視線を浴びるスラッガー・王柏融(台湾プロ野球Lamigo)らを擁した台湾との決勝戦は熱戦が期待されたが残念な結末だった。
日米大学野球で結果残した左腕
昨年11月に48名を招集し、3月には日本オリンピック委員会に1次選手として登録した32名に絞り込み、それぞれ3日間の選考合宿を開催。6月にユニバーシアード出場選手22選手を発表し、7月には米国で開催された日米大学野球を戦った(※日米大学野球は24選手が参加/2勝3敗で優勝ならず)。
この日米大学野球で活躍が光ったのが、善波監督が大会前から投打の柱としてそれぞれ期待していた両4年生・東克樹(立命館大)と楠本泰史(東北福祉大)だ。
楠本は昨年の日米大学野球にも出場して打率2割に終わったが、善波監督から「昨年の経験を生かしてほしい」と4番を託された今年は打率3割8分9厘を残して首位打者を獲得。当てに行く消極的な姿勢が消え、8月14日に行われたJX−ENEOSとの練習試合では、初回にドラフト候補右腕・齋藤俊介の初球のチェンジアップを強振し先制3ランを放った。これには視察に訪れた侍ジャパン・稲葉篤紀新監督も「対応力が素晴らしい」と称賛した。