侍J大学代表、長い強化期間で新星登場
ユニバで2大会連続の金メダルを目指す

前回は雨に泣いた金メダル

ユニバーシアードでの金メダルを誓う善浪監督(右から2人目)。写真は右から関西大・阪本、善浪監督、明治大・竹村、東洋大・中川
ユニバーシアードでの金メダルを誓う善浪監督(右から2人目)。写真は右から関西大・阪本、善浪監督、明治大・竹村、東洋大・中川【写真:高木遊】

 全世界の学生アスリートによる祭典・第29回ユニバーシアード競技大会が台湾・台北市で開催され、野球競技は20日に開幕し29日に決勝戦が行われる。


 野球競技の実施は今大会が4度目。第17回大会(1993年/アメリカ・バッファロー)では4位、第18回大会(95年/福岡)では3位に終わったが、前回大会(2015年/韓国・光州)では初の金メダルを獲得した。


 だが、それは決勝戦の雨天中止による台湾との金メダルで、選手・スタッフの中には涙を流す者もいるほど悔しさの残るものだった。今回と同じ善波達也監督(明治大)のもと、前回大会の代表22選手は現在プロ野球でプレーする選手が14人もおり、浜口遥大(神奈川大/横浜DeNA)、柳裕也(明治大/中日)、田中正義(創価大/福岡ソフトバンク)、柴田竜拓(国学院大/DeNA)、茂木栄五郎(早稲田大/東北楽天)高山俊(明治大/阪神)、吉田正尚(青山学院大/オリックス)らがそろっていたその強力な布陣で攻守に隙のない野球を展開。予選リーグ3試合と準決勝で合計35得点を挙げ、投手陣は無失点と、着実な戦いぶりで決勝戦に駒を進めた。


 それだけに、現在日米球界から熱視線を浴びるスラッガー・王柏融(台湾プロ野球Lamigo)らを擁した台湾との決勝戦は熱戦が期待されたが残念な結末だった。

日米大学野球で結果残した左腕

 今大会のメンバーは、個々の能力は2年前よりも劣るかもしれないが、長い強化期間を経て選手それぞれのやるべきことが明確になり、頭角を現す選手も増えてきた。


 昨年11月に48名を招集し、3月には日本オリンピック委員会に1次選手として登録した32名に絞り込み、それぞれ3日間の選考合宿を開催。6月にユニバーシアード出場選手22選手を発表し、7月には米国で開催された日米大学野球を戦った(※日米大学野球は24選手が参加/2勝3敗で優勝ならず)。


 この日米大学野球で活躍が光ったのが、善波監督が大会前から投打の柱としてそれぞれ期待していた両4年生・東克樹(立命館大)と楠本泰史(東北福祉大)だ。

 東は170センチと小柄だが、最速152キロを投じる本格派左腕。MLB予備軍となる大学米国代表を相手に、ストレートで押す国内とは違う緩いカーブを多く使った投球で第1戦と第4戦に先発し2試合計11イニングを無失点。投手としての幅の広さを見せ、最優秀投手を獲得した。


 楠本は昨年の日米大学野球にも出場して打率2割に終わったが、善波監督から「昨年の経験を生かしてほしい」と4番を託された今年は打率3割8分9厘を残して首位打者を獲得。当てに行く消極的な姿勢が消え、8月14日に行われたJX−ENEOSとの練習試合では、初回にドラフト候補右腕・齋藤俊介の初球のチェンジアップを強振し先制3ランを放った。これには視察に訪れた侍ジャパン・稲葉篤紀新監督も「対応力が素晴らしい」と称賛した。

高木遊

1988年、東京都生まれ。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。関東を中心に全国各地の大学野球を精力的に取材。中学、高校、社会人などアマチュア野球全般やラグビーなども取材領域とする。

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