【J25周年企画】「芸術家肌」のミシャが追求したサッカー J1優勝には届かなかった“異形”の戦術
攻撃して点を取って勝つ
攻撃して点を取って勝つ、簡単にいえばそれがミシャのサッカーだった 【(C)J.LEAGUE】
“ミシャ”によるイビチャ・オシム評である。オーストリアのシュトルム・グラーツではオシム監督のアシスタントコーチだった。
ミシャことミハイロ・ペトロヴィッチ監督自身もオシム以上に「芸術家肌」だと思う。ただ試合に勝てばいいというわけではなく、自らの理想とするサッカーを表現しようとしてきた。攻撃して点を取って勝つ、簡単にいえばそれがミシャのサッカーである。
1960年代にリベロが導入されてから、サッカーの1試合平均得点は2点台に落ち込んだままだ。すでにリベロはいなくなり、オフサイドルールが攻撃側に有利となるよう修正されるなどしても、得点数の大きな回復はない。
以前は3点以上入っていたサッカーは、2点取ったらほぼ勝てるゲームとして定着した。逆にいえば2点失ったらまず負けるので、重視されるのは守備である。守備を作れる監督も評価される。1失点はともかく、2失点は避けなければ勝負にならないからだ。
つまり、サッカーは得点の多さではなく、実は失点の少なさを競うゲームなのだ。
「ミシャは守備の練習をしない」
サンフレッチェ広島時代から、ミシャは守備を軽視していると言われていた。ゲーム形式のトレーニングがメーンのため、守備の練習が皆無というわけではないが、セットプレーの守備練習などもほとんどやらないことで有名だった。浦和レッズでも守備の脆さを指摘され続けていたが、そこに目を向けることはなかった。守備に問題があることは百も承知していたに違いない。それでも頑固なほどそこに手を入れなかったのは、ミシャにとってサッカーは攻撃して点を取って勝つ、得点の多さを競うべきゲームだったからだろう。
相手の裏をつく巧妙な仕掛け
続きはスポーツナビ公式アプリ(無料)で読むことができます。
- アプリケーションはiPhoneとiPod touch、またはAndroidでご利用いただけます。
- Apple、Appleのロゴ、App Store、iPodのロゴ、iTunesは、米国および他国のApple Inc.の登録商標です。
- iPhone、iPod touchはApple Inc.の商標です。
- iPhone商標は、アイホン株式会社のライセンスに基づき使用されています。
- Android、Androidロゴ、Google Play、Google Playロゴは、Google Inc.の商標または登録商標です。
- 前へ
- 1
- 2
- 次へ
1/2ページ