女子マラソン清田&安藤が感じた世界基準 世界陸上のリベンジは東京五輪で

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日本勢最高位の清田(右)が16位、安藤は17位。日本は厳しい結果を突きつけられた 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

 陸上の世界選手権(イギリス・ロンドン)は中日となる第5日(現地時間8日)を終え、後半戦へと突入する。日本勢にとって前半戦の注目種目となったのが男女マラソンだ。世界陸上としては初の同日開催で、ここでのメダル獲得や複数入賞も期待された。

 しかし結果的には男女ともにメダル、入賞なし。日本勢は最高位が清田真央の16位、安藤友香(ともにスズキ浜松AC)が17位、重友梨佐(天満屋)は27位と低調な成績に終わる一方、ケニア、エチオピア勢を中心としたアフリカ系選手の強さが際立つ結果となった。

 レースを終えて日をおき、世界選手権初出場となった清田、安藤の2人に、世界との戦いについて話を聞いた。また、残り3年を切った2020年東京五輪へ向けて、“リベンジ”への思いを語ってもらった。

清田「夏のマラソンは後半にジワジワ効いた」

「夏のマラソンは本当に厳しい」と振り返った清田 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

――清田選手は初めての世界選手権を振り返ってみてどうだったか。

清田 レース内容としては、ペースの上げ下げがあると分かっていたのにも関わらず、上手く対処しきれない部分がありました。気持ち的にはそこまでだったのですが、やはり後半に入り、体の負担が大きかったと言いますか、最後に集団(のペース)が上がったときに、まったく体が動きませんでした。

――本番に向けてどんな練習に取り組んできた?

清田 練習としては冬のマラソンの調整、練習と内容は変わっていません。ただ、内容は一緒でも、夏と冬の違いだけで、気持ちの面でも体の面でもハードでした。その中でできた部分とできなかった部分の差があったのですが、夏のマラソンは本当に厳しいなと感じました。

――夏の方がやはり気温も高く後半に響く?

清田 最初はゆとりを持って走っていけて大丈夫かなと思っても、だんだん距離を踏むことで、ジワジワと(疲労が)蓄積される感覚がありました。特に今回のレースでは30キロは越えられたのですが、35キロのところで訪れる“デッドポイント”でもう1段越えられませんでした。

どこでも聞こえた沿道からの声援が心強かった

――今後、夏マラソンの対策を考えると後半がポイントになる?

清田 それは世界と戦う場合でなくとも、後半が勝負どころですし、デッドポイントを越えたところで、仕掛けたり仕掛けられたりするので、そこへの対応力をもっと上げていかないといけないと思いました。

――それを実感できたという意味で、今大会の経験は大きい?

清田 そうですね。海外の選手はそのデッドポイントでも淡々と走るし、その部分の差を感じました。

――そのほか今大会に出て、プラスに感じたことはあったか?

清田 周りの声援をしっかり聞くことができました。前半は自分の中でゆとりを持てていたし、応援の力がもらえたし、どこを走っていても声援が聞こえて、それが心強かったです。集団のなかにいても、すぐに見つけてもらって、応援してもらえたことはうれしいですし、本当に頑張ろうという気持ちで奮起して走ることができました。

――これからは2020年東京五輪を視野に入れながらになるが。

清田 東京五輪のマラソンには出場したいですし、「メダルを取る」という目標を立てて今回の世界選手権に臨みましたが結果が出なかったので、東京五輪で今度こそはメダルを取れるレースをしたいです。
 そのためには、日本代表にならないといけないですし、MGC(マラソングランドチャンピオン)レース(※)に出る権利を取って、選考レースで代表になり、東京で金メダルを取りたいと思います。

――たくさん強敵はいると思うが、やはり目指すのは金メダル?

清田 それはもちろんです。レースに出るからには金メダルを取りたいですし、何にしても1番が良いと思います。(金メダルを取るには)まだまだ課題となる部分はたくさんありますし、今回の練習の中でも課題が克服できていない部分もありました。今後それをしっかり克服し、不安要素なく、レースに挑めるようにしていきたいです。

※マラソングランドチャンピオンレース…日本陸上競技連盟が定めた2020年東京五輪マラソン代表を決める選考レースの名称。

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