中日・岩瀬を“元妻”小田幸平氏が語る 「大記録に少しでも関われてうれしい」

ベースボール・タイムズ

「幸平がいい」に自信付いた

伝家の宝刀・スライダーを武器に長年活躍してきたが、小田氏は「スライダーに頼るような感覚はなかった」と振り返る 【写真は共同】

――中日では、実際にバッテリーとしてコンビを組む試合が多くありましたが、どのような気持ちでリードしていましたか?

 相手は大投手なので、最初はとにかく迷惑をかけないように、ということだけでしたね。とりあえず無事に終わってくれたらいいな、と。でも結果が出るようになって、そういう不安な気持ちもなくなっていった。岩瀬さんが「(バッテリーを組むのは)幸平がいい」と言ってくれたりもしたので、僕自身にも自信が付きましたね。普段から気を使わない関係をつくってくれていたので、試合でバッテリーを組んだ時もすごくやりやすかった。やりやすかったですし、すごく楽しかったですね。

――投球の組み立ての中で意識していたことは? やはり、あのスライダーをいつ投げるかというのがポイントだったと思いますが?

 そんなことないですよ。スライダーだけじゃなくて、インコースの真っすぐも素晴らしかった。確かに、はたから見ている時は『スライダー、スライダー』というイメージもありましたけど、実際に受けてみると、スライダーだけじゃなくて、真っすぐにものすごくキレがあるし、ボール自体もすごく動く。スライダーに頼るような感覚ではリードしてなかったですよ。

――逆にリードしていて苦労したことはありますか?

 苦労したことはないですね。まったくないですね。強いて言うなら『打たれたらキャッチャーが悪い』と思われるというプレッシャーかな。でもそれは僕が勝手に感じているだけ。実際に打たれてサヨナラ負けを食らったこともありましたけど、その時は『すまん!俺が悪かった』と。逆に僕は、岩瀬さんに謝らせてしまって申し訳ないという気持ちで、すごく反省したことを覚えています。

1日でも長く、1試合でも多くマウンドへ

――プロ19年目の42歳。改めて歴代最多の950試合登板という数字を聞いて思うことは?

 記録に関しては本当にすごいとしか言いようがない。これから先はもう出てこないでしょう。そういう大記録、大投手に、僕も少しでも関われたということが、元プロ野球選手としてすごくうれしいですね。(山本)昌さんもそうですけど、岩瀬さんもそういう風に周りに思わせる力、実績がありますし、それは僕にとっても大きな財産です。

――最多登板記録を更新した後は、1000試合という数字も期待してしまいますが?

 先のことは分かりませんし、岩瀬さん本人や球団が決めることでもあるので僕がどうこう言っても仕方ありません。ですが、現役から退いた身からすると、とにかく数字などは気にせず、1日でも長く投げて、1試合でも多くマウンドに立って欲しいですね。

――では最後に、バッテリーを組んだ“元妻”として、日本記録を更新した岩瀬投手にメッセージをお願いします。

 記録更新、本当におめでとうございます! 僕もその記録に少しでも携わることができて、幸せです。まだシーズンは続きますが、これまで通り、1試合1試合、日本球界の歴史に名を刻むピッチングを続けてください。これからも期待しています!

(取材:三和直樹/ベースボール・タイムズ)

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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