広島・会澤が語る勝つための捕手の役割 「投手を誰よりも分かっていないと」
負担の大きい捕手のポジションだが、弱音を吐くことなくチームを鼓舞している 【写真:BBM】
昨季の広島の優勝に貢献し、捕手部門でベストナインとゴールデン・グラブ賞を獲得した石原慶幸。会澤翼はその高き壁を誰よりも間近で見つめ、多くを学んできた。今季は自分がその存在へ――。守備と打撃でさらに奮闘するつもりだ。
守でも打でも投手のために
──今季、前半戦ではチームのキャッチャーとして最多の62試合に出場。打率も2割9分3厘と打でも貢献しています。
いまの時点での手応えはなんとも。全部終わってみないと分かりませんし、いまは1試合1試合を必死に、戦っていくだけです。
──6月中盤からは、それまで石原慶幸選手と組んでいた野村祐輔投手、岡田明丈投手ともバッテリーを組んでいます。
僕は「行ってくれ」と言われたところに行くだけなので。石原さんと組んでいるときもどういう配球をしているのかは見るようにしていましたし、戸惑いはなかったですね。先発でなくとも、試合途中から出て組むこともありますし、データは頭に入っていました。
──野村投手は、キャッチャーにコースの隅に寄って、なるべく小さく構えてもらったほうが投げやすいと聞きます。反対に岡田投手はアバウトに構えてもらうことが多いようですが、会澤選手はそのタイプに応じて構えを変えているように見えました。
そこはピッチャーによって変えるようにはしています。ピッチャーがなるべく投げやすいように構えるのはキャッチャーの仕事ですからね。構え方一つにしても、石原さんがどのようにやっているのかは意識するようにしています。
──ピッチャーに構え方の要望を聞くこともあるのでしょうか。
いや、見ればだいたい分かりますよ。ほとんど組んだことのないピッチャーにはなるべく聞くようにはしていますけどね。
── 一方、以前から会澤選手と組んでいた大瀬良大地投手も目覚ましい活躍ぶりです。昨季までの困ったらストレートというスタイルから、今季はさまざまな球種を使い分けるように変えたということですが、会澤選手との話し合いもあったのでしょうか。
やっぱり、勝たなくちゃいけないと思うんですよ。大地もどうやったら勝てるんだろうと考えていかないといけないですし、いままではストレートで押していった部分はありましたが、打者も研究はしてくるわけで、大地も成長、進化をしていかないといけない。その中で、いまはそういう時期というだけであって、また変わってくるかもしれません。今季は最初、勝てていない時期があって、そのときに投手有利なカウントを早くつくることを心がけるようにしました。大地にはあまり多くは言わず、これは岡田式なんですけど、真ん中を目がけてしっかり腕を振ってくれて、それが散らばってくれればいい、という感じで最初は入って。そこから何か自分でつかんだものがあるのだと思います。
──大瀬良投手と同期の九里亜蓮投手も会澤選手と組み、自己最多の5勝を挙げています(7月20日終了時点)。九里選手の今季に懸ける意気込みもよく知っていたのではないでしょうか。
昨季に黒田(博樹)さんが引退されて、先発が一枠空いたということで、投手陣みんなに「その枠に入るんだ」という強い意気込みを感じました。九里の場合も、一番は「腕を振っていこう」ということ。いろいろな球種は持っているので、「しっかり腕を振らなきゃダメだよ」とは常々伝えています。
──投手によってさまざまな顔を使い分けているのですね。
それがキャッチャーの仕事ですから。ピッチャーのことを誰よりも分かっていないとダメなポジションだと思っています。
いまの時点での手応えはなんとも。全部終わってみないと分かりませんし、いまは1試合1試合を必死に、戦っていくだけです。
──6月中盤からは、それまで石原慶幸選手と組んでいた野村祐輔投手、岡田明丈投手ともバッテリーを組んでいます。
僕は「行ってくれ」と言われたところに行くだけなので。石原さんと組んでいるときもどういう配球をしているのかは見るようにしていましたし、戸惑いはなかったですね。先発でなくとも、試合途中から出て組むこともありますし、データは頭に入っていました。
──野村投手は、キャッチャーにコースの隅に寄って、なるべく小さく構えてもらったほうが投げやすいと聞きます。反対に岡田投手はアバウトに構えてもらうことが多いようですが、会澤選手はそのタイプに応じて構えを変えているように見えました。
そこはピッチャーによって変えるようにはしています。ピッチャーがなるべく投げやすいように構えるのはキャッチャーの仕事ですからね。構え方一つにしても、石原さんがどのようにやっているのかは意識するようにしています。
──ピッチャーに構え方の要望を聞くこともあるのでしょうか。
いや、見ればだいたい分かりますよ。ほとんど組んだことのないピッチャーにはなるべく聞くようにはしていますけどね。
── 一方、以前から会澤選手と組んでいた大瀬良大地投手も目覚ましい活躍ぶりです。昨季までの困ったらストレートというスタイルから、今季はさまざまな球種を使い分けるように変えたということですが、会澤選手との話し合いもあったのでしょうか。
やっぱり、勝たなくちゃいけないと思うんですよ。大地もどうやったら勝てるんだろうと考えていかないといけないですし、いままではストレートで押していった部分はありましたが、打者も研究はしてくるわけで、大地も成長、進化をしていかないといけない。その中で、いまはそういう時期というだけであって、また変わってくるかもしれません。今季は最初、勝てていない時期があって、そのときに投手有利なカウントを早くつくることを心がけるようにしました。大地にはあまり多くは言わず、これは岡田式なんですけど、真ん中を目がけてしっかり腕を振ってくれて、それが散らばってくれればいい、という感じで最初は入って。そこから何か自分でつかんだものがあるのだと思います。
──大瀬良投手と同期の九里亜蓮投手も会澤選手と組み、自己最多の5勝を挙げています(7月20日終了時点)。九里選手の今季に懸ける意気込みもよく知っていたのではないでしょうか。
昨季に黒田(博樹)さんが引退されて、先発が一枠空いたということで、投手陣みんなに「その枠に入るんだ」という強い意気込みを感じました。九里の場合も、一番は「腕を振っていこう」ということ。いろいろな球種は持っているので、「しっかり腕を振らなきゃダメだよ」とは常々伝えています。
──投手によってさまざまな顔を使い分けているのですね。
それがキャッチャーの仕事ですから。ピッチャーのことを誰よりも分かっていないとダメなポジションだと思っています。
マウンドでは誰でもエース格として接する
──広島は若く、成長途上のピッチャーが多いと思いますが、そのピッチャーをリードするうえで心がけていることは。
僕はあまり若手、若手と考えてはないですね。一人のピッチャーとして、マウンドに上がればエース格なんだよ、と接するようにしています。
──それは高卒4年目の今季に1軍初登板初先発で初勝利をマークした中村祐太投手も同じ。
そうですね。打たれようが抑えようが、一人のピッチャーとして扱わないといけないですし、やっぱりゲームの主役はピッチャー。「俺がエースなんだ」というくらいの気持ちで投げてくれないと。若いピッチャーとはいえ、チームを背負って投げているくらいの自信を持ってほしいと思っています。
──その大瀬良投手、中村祐投手の今季初勝利では、会澤選手が効果的な一打を放って勝利を引き寄せました。
打撃に関してはね、何とかピッチャーをちょっとでもラクに投げさせられるようにと思って、打席に入っています。何点差がつこうが、9点目、10点目でも取りにいかないと、次の中継ぎに負担がかかってしまいます。投げるのは先発だけではないですからね。
──打つほうでもピッチャーのことを考えながら。
1点差、2点差よりも、3点差、4点差のほうがピッチャーはラクですからね。それは変わりません。
──12球団の捕手でも、会澤選手の打席は際立っています。
意識しているのは後ろにつなぐことだけです。打率はあまり見ず、それよりも効果的な一打が打てればいいですね。ウチの打線だったら、上位に回せばチャンスはありますから。下位打線に上位につながれると、キャッチャーとしてもすごくイヤなんですよ。僕はそういう意識で打席に立っています。
僕はあまり若手、若手と考えてはないですね。一人のピッチャーとして、マウンドに上がればエース格なんだよ、と接するようにしています。
──それは高卒4年目の今季に1軍初登板初先発で初勝利をマークした中村祐太投手も同じ。
そうですね。打たれようが抑えようが、一人のピッチャーとして扱わないといけないですし、やっぱりゲームの主役はピッチャー。「俺がエースなんだ」というくらいの気持ちで投げてくれないと。若いピッチャーとはいえ、チームを背負って投げているくらいの自信を持ってほしいと思っています。
──その大瀬良投手、中村祐投手の今季初勝利では、会澤選手が効果的な一打を放って勝利を引き寄せました。
打撃に関してはね、何とかピッチャーをちょっとでもラクに投げさせられるようにと思って、打席に入っています。何点差がつこうが、9点目、10点目でも取りにいかないと、次の中継ぎに負担がかかってしまいます。投げるのは先発だけではないですからね。
──打つほうでもピッチャーのことを考えながら。
1点差、2点差よりも、3点差、4点差のほうがピッチャーはラクですからね。それは変わりません。
──12球団の捕手でも、会澤選手の打席は際立っています。
意識しているのは後ろにつなぐことだけです。打率はあまり見ず、それよりも効果的な一打が打てればいいですね。ウチの打線だったら、上位に回せばチャンスはありますから。下位打線に上位につながれると、キャッチャーとしてもすごくイヤなんですよ。僕はそういう意識で打席に立っています。