史上2人目の3000安打も十分可能! 坂本勇人のハイペースぶりを検証
7月9日、阪神戦の9回に同点タイムリーを放ち、通算1500安打目を記録した坂本 【写真は共同】
「プロは甘くない」からたどり着いた偉業
08年には、巨人では松井秀喜以来となる10代での開幕スタメンから、高卒2年目では中西太(西鉄)、清原和博(西武)に続く史上3人目の全試合スタメン出場を果たして2年合計135本のヒットをマークした。翌09年の5月からは1番打者に定着。当時、「プロの世界はそんなに甘くないと思ってます。だからタイトルとかは目標じゃないし、記録へのこだわりもない」と語っていた男は、その年に178安打をマークすると、10年の171安打、11年の149安打を経て、プロ6年目の12年にはシーズン173安打で最多安打のタイトルを獲得してみせた。
その後の3年間(13年:147安打、14年:152安打、15年:129安打)はややペースを落としたが、10年目の昨季は168安打を放つとともに打率3割4分4厘で念願だった首位打者のタイトルを獲得。再びアクセルを踏み直すと、今季も開幕から順調に安打を重ね、7月3日の時点では通算1500安打まで残り13本だったところから1週間6試合で一気に節目までたどり着いた。
巨人の大先輩を超えるペース
【ベースボール・タイムズ】
比較対象は多くいるが、巨人の高卒スターである松井秀喜、さらには王貞治と比べても、それを上回るハイペース(松井はメジャー移籍1年目に日米通算1500安打を達成)であることが分かる。松井はプロ11年目から海を渡り、王は40歳となったシーズンを最後に通算868本の本塁打を含めた通算2786安打で現役を引退した。
松井、王の2人とは打者のタイプが異なる坂本だが、試合出場を続ける体の強さは先人たちと匹敵。15年からは主将としてチームを引っ張る立場となったことで責任感も増した。その中で重ねてきたヒット。今後、どのような曲線を描き、どのような選手になるのか。これから先の未来が楽しみでならない。