史上2人目の3000安打も十分可能! 坂本勇人のハイペースぶりを検証

ベースボール・タイムズ

史上最年少での2000安打も可能

 これから先、年間150安打ペースを維持すれば、3年後の2020年シーズンには2000安打に到達することになる。気になるのはその達成スピード。史上最年少記録は、これも榎本喜八の31歳7カ月で、2位は張本勲(東映)の32歳2カ月。1988年12月14日生まれの坂本が20年のシーズン中に達成すれば、張本を上回る歴代2位は確定。同年の7月13日までに達成すれば、歴代最年少記録となる。

 ちょうど3年後までに500安打を放てるか。換算すると、年間167本ペースでヒットを放てば榎本を上回る史上最年少記録となる。一昨季まで一時停滞した感のあった坂本だが、その中でも試行錯誤を続けながら確実に成長。打率アップの中で、対左投手成績(14年:打率2割5分0厘、15年:打率2割6分1厘、16年:打率2割8分5厘、17年:打率3割5分7厘)、右打ちの確率(14年:26.8%、15年:29.7%、16年:32.4%、17年:38.8%)と着実に進化を遂げてきた(17年の数字は7月9日終了時点のもの)。記録更新の可能性は十分にあるだろう。

史上2人目の3000安打は!?

【ベースボール・タイムズ】

 そして31歳で2000安打を放って名球会入りを果たした後には、夢の3000安打が待っている。

 プロ野球80年で、過去に張本(3085安打)ただ一人しか到達できなかった偉大な記録。イチローは日本で1278本のヒットを放って海を渡り、その後メジャーで通算3000安打を達成、日米通算では4000安打を超える異次元の数字を残しているが、日本国内に限ってみると、野村克也(2901安打)、王貞治(2786安打)にも届かなかった3000安打。2500安打以上を見ても、上記の3人に加えて、門田博光(2566安打)、衣笠祥雄(2543安打)、福本豊(2543安打)、金本知憲(2539安打)の計7人しかいない数字だ。

 プロ11年目で1500安打に到達した坂本は、単純計算で年間150安打ペースをこの先10年保つことができれば、38歳で3000安打の大台に到達できる。肉体的な衰えは当然あるだろう。ケガに悩まされることもあるかもしれない。それでも前を向いてもらいたい。今後について、「一歩ずつ」と語った坂本勇人。10年先に目を凝らしながら、彼が放つ次の1本に心躍らせたい。(文中敬称略)

(文・三和直樹、グラフィックデザイン・山崎理美)

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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