ゼーヴィント戸崎は自信「競馬が上手」 福島の鬼マルターズも見参、七夕賞座談会

競馬専門紙「優馬」

競馬専門紙「優馬」トラックマン座談会

 今週は福島でサマー2000シリーズの開幕戦となる七夕賞が行われる。毎年波乱が生まれるレースとして名高いが、今年のメンバーも一筋縄では行かなさそう。優馬TM(トラックマン)陣はいかなるジャッジを下すのか?

逃げるマルターズに追うゼーヴィント 福島記念の再現も?

昨年の夏に福島で初重賞制覇を果たしたゼーヴィント(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

デスク「今年は出走頭数のみならず、重賞勝ち馬も3頭のみという少し淋しいメンバー構成だが、ハンデはその重賞勝ち馬が57キロで、2勝しているマルターズアポジーが0.5キロ増量された形だな」

武井「当然、実力とハンデを天秤にかけて、ということになりますが、僕はゼーヴィントでイケると見ています。1年前のラジオNIKKEI賞を勝ったあとは勝ち鞍がないとはいえ、いずれも重賞で3戦連続2着なら、重賞を2、3勝しているのと同じレベルだと思います。特に前走は、逃げ残りを許した福島記念の轍を踏まぬよう、3コーナー過ぎから進出して直線で一旦は先頭に立つ競馬。勝ち馬には内を巧くスクわれましたが、着実な成長を示す内容でした。ここは以来の5カ月半ぶりが鍵となりますが、80秒を切る速い時計も含めて6ハロンからの長目追いを3本消化しているように、これまでの調教よりも強化できていますし、仕上りには不安がないと見ていいでしょう」

守屋「その福島記念を逃げ切ったマルターズアポジーが、当時54キロだったのに対し、ゼーヴィントは55キロと1キロ重いハンデでした。今回は、ゼーヴィントが逆に0.5キロ軽くなるわけですから、斤量面では逆転できる数字と言えますね。加えて、マルターズのみならず、有力馬に前々で運ぶ馬が多い今回は、どこからでもシッカリ脚をためられるこの馬が有利な展開になると見ます。調教も長目追いだけでなく、チップと坂路を併用して1カ月近く入念に乗られていますし、今度は捕まえられると思います」

西田「もともと脚元に弱さのある馬で、今回も様子を見つつの仕上げだったようですが“先週ビシッと追ったことで今週はキチンと反応できていたし、一連のデキに戻っている”と、陣営からも自信のコメントを貰ってます。57キロを背負うのは初めてですが、GIIでも僅差の競馬を続けていますし、実績のある福島なら恥ずかしいレースにはならないでしょうね」

小野智「中間の稽古では跨いでいない戸崎圭騎手も“仕上りはわかりませんが、力があるのはわかってます。何より競馬が上手な馬ですからね”と、表情は明るかったですね」

デスク「ただ、それでも智美は、マルターズアポジーには届かないと見たわけだが、先週日曜の特別登録の段階では出否は未定だったんだよな」

小野智「陣営は、ハンデと最終追いの動きを見て出否を決めようと思っていたそうですが、稽古ではやればやるだけ動く馬で、武士沢騎手も“いつも通りのこの馬のデキ”と、状態面には不安がないことを強調してました。ハンデは57キロを想定していたようで、“0.5キロ重いけど、斤量泣きする馬格ではないので、ゴーサインを”とのことでした。枠順がどうとか、流れがどうとかの注文がなく、やるべきことが決まっているのがいいですし、これだけ“小細工なしにハナ”と公言するのなら無理に絡んでくる馬もいませんよね。そして何より、鬼レベルのコース実績を信頼したいです」

大江原「ただ、絡むことはなくとも、しっかりとマークして運べるのがマイネルフロストだよな。とにかく前々で器用に立ち回れる脚質は福島向きだし、復帰後は1カ月ごとのローテーションにも好感が持てるな」

坂倉マイネルフロストは、本をただせば毎日杯勝ちにダービー3着もある素質馬ですからね。低迷していた時期が長かったとはいえ、ブリンカーを着用してのここ2戦から、完全復調と見ていいですよ。この福島2000mでも勝ち鞍があるわけですし、逃げ馬を見ながら、まず大崩れはなさそうです」

西田「陣営も、前走については“掛かり気味の追走になったが、ラストもしっかり伸びてきた”と、改めてブリンカーの効果を認識したようです。その前走から、コースや展開面など条件が好転しますし、“デキも申し分ない”と、かなりの意気込みでしたね。◎は57キロの担当馬2頭で悩んだんですが、人気的な妙味も加味してマイネルフロストにしました」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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