ゼーヴィント戸崎は自信「競馬が上手」 福島の鬼マルターズも見参、七夕賞座談会

競馬専門紙「優馬」

ここで初重賞制覇を目論む馬たちも

父ナカヤマフェスタに初重賞のタイトルを捧げたいヴォージュ(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

デスク「残るは、ここで重賞初勝利を狙う馬たちとなるが、ここへきて評価が急上昇しているのが、重賞初挑戦となるヴォージュだな」

細川「復帰戦こそ2着に敗れましたが、その後の2連勝はともに着差以上の内容でしたね。2走前のレースに臨む時点で、西村師が“馬体が凄く良くなったね。乗った感触で調教が足りないと思っても、十分に動ける態勢になっているんだ”と、並みの馬ではないことを強調していましたし、全5勝の2000mで55キロのハンデなら勝負になるはずです」

伊利ヴォージュが前走で負かしたプロディガルサンが、セントライト記念でゼーヴィントに次ぐ3着だったことを考えれば、ここでも何らヒケは取りませんよね。加えて、先週のラジオNIKKEI賞が、母父ブライアンズタイムのセダブリランテスが勝ち、2着にステイゴールド産駒のウインガナドル。この結果をふまえると、父の父ステイゴールド、母父の父ブライアンズタイムという血統構成も魅力的に思えます」

久光「僕は4走前の復活Vからの安定味を買ってスズカデヴィアスを狙ってみます。大阪杯はさすがに相手が強かったですが、金鯱賞と鳴尾記念はともに展開が不向きな中で少差に差し込んだもので、十分に評価できる走りです。マルターズアポジーの参戦で、ある程度の流れになるのもいいですし、溜める形がすっかり板に付いた今なら、初めての福島コースも気にならないですね。夏に弱いとの話もありますが、これまで7〜8月の出走歴がなく、答えが出ているわけでもないですし、中間の調整過程からも体調に不安なしと見ました」

加茂「陣営も“コース自体は心配していない”とのことやし、何より前走で手綱を取った横山典騎手から“ここに連れてきてほしい”という打診があったんやったら、オモロイ競馬になるはずですわ」

守屋「その横山典騎手は前走後に“休み明けだったし、次はもっと良くなる”とコメントしていて、手応えをつかんだようですね。勝負どころで前がかり気味に他馬が仕掛けていき、逃げ・先行勢が苦しくなるようなら、この馬の末脚が怖いですよ」

小島「僕は、パドルウィールで一発狙いです。シンガリ負けを喫した前走のエプソムカップは、道中で落鉄をしていたとのことで、全くの参考外。体調より気持ちの面でいつ走るかわからない馬ですが、5走前の金鯱賞からも2000mはベストでしょう。ハンデも魅力ですが、とにかく気分良く走ることができれば、来ても不思議はないですよ」

パドルウィールは、少し線が細くみえてしまう点が気懸かりですが、4つのコーナーを利しての先行屋であることは確かです。中尾秀師も“気持ちで走るタイプでスイッチがはいるかどうかだけ”と話してましたし、ノーマークで先行し前残りで穴をあけてきた過去の戦績からも軽くは扱えません。2角か、向正面か、3角か。それとも4角?。どこかでそのスイッチを見つけられれば、プロキオンSが直前で出走回避となったエイシンバッケンの分の頑張りを見せられるかもしれませんね」

デスク「コジの担当では、格上挑戦となるソールインパクトも前走が強い勝ち方だったと思うけど」

小島「前走については、戸田師に言わせると“ジョッキーの腕に尽きる。他のジョッキーが下手に乗っていたわけではないが、ルメール騎手がこの馬の力をフルに引き出してくれた”とのことです。2〜3歳時の重賞での実績やハンデを考えれば勝負になると踏んでの出走ですが、とにかく相手なりに走りますし、乗り替わりがプラスと言えないまでも大野騎手ならソツなく乗ってくれるはずですね。まぁ、押さえといて損はないですよ」

小野智「その大野騎手は最終追いで初めて跨いだそうですが“変な癖もなく乗りやすい馬でしたよ。性格も大人になってきた、と聞いていますし、ここでも差はないと思います”と、色気十分でしたね」

デスク「前走がこの舞台で2着という割に人気になっていないフェルメッツァだけど、陣営の感触はどうなん?」

福田「前走について松永幹師は“3角で手応えが怪しくなったが、お終いはよく盛り返してくれたし、2000mの距離にメドが立つ内容だった”と。ゴール前で交わした3着馬が、次走で新潟大賞典を勝ったように、レースのレベルも低くなかったわけやし、器用さの生きる福島コースは元々が得意な馬や。ハンデの55キロには師も納得が行かん様子やったけど、それだけ手応えがある証なんやろな」

守屋「これまた前走でそこそこ走っている割に人気がないバーディーイーグルも押さえておくべきかと思います。前走は別定戦で56キロを背負いながら、直線最後まで渋太く伸びての5着でしたが、国枝師も厩舎の番頭格である佐藤助手も見解は同じで“ロスなく立ち回れたのが良かった”とのことでした。昨年のこのレースは、5枠9番と真ん中の枠ながら向正面から4角までずっと外を回っていましたし、3走前の福島民報杯も2枠4番を生かせませんでしたから、けっして福島コースがダメというワケではないですよ。“ドンとこいという馬ではないので、セコく乗らないと”とこの馬について師はいつもそう話していますが、ここ2走はそれができていますし、状態についても佐藤助手のコメントが実に前向きですからね」

デスク「そんなところか、と思ったら、直ちゃんの◎がまだだったな」

佐藤直「なかなか振ってくれないから、もう帰ろうかと思っていたところだが、タツゴウゲキの前走は、準オープンでの3着とはいえ、秋にはひょっとすると大きいところを勝つかもしれないシルバーステートを相手に、よく踏ん張ってのコンマ2秒差なら評価できるぞ。福島コースは2戦2勝と好相性だし、52キロのハンデなら無茶な狙いとは思えないけどな」

デスク「俺はハンデが厳しいのは承知の上でマルターズアポジーだな。福島記念も鮮やかだったが、それ以上に凄かったのがガンガン飛ばして逃げ切った小倉大賞典。この1年間で負けたのはGIの2戦だけ、というのも凄いことだよ。あと、年間2桁は勝つ武士沢が、今年はまだ2勝どまりなんだが、最後に勝ったのが2月の小倉大賞典なんだよ。自身の不振からも脱出するべく、ビュンビュン飛ばして欲しいな」

木谷「七夕賞って、ワケ分かんない荒れ方するレースですからねぇ……。全く人気ないですけど7〜9月〔2.2.2.1〕のウインインスパイアでも狙ってみましょうかね。ちょうどデスクの本命と合わせれば“枠連7−7”が買えますよ」

デスク「主にジジイ方面で異常な売れ方をするフォーカスだな」

2/2ページ

著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント