【WWE】イタミはまさかの無効試合で凱旋白星ならず 日本にゆかり深いスーパースターたちが両国で躍動
凱旋勝利目前で試合をぶち壊されたイタミ
“日本初勝利”を目指すヒデオ・イタミは、エンツォ・アモーレと一騎打ち。だが、ビッグ・キャスの乱入により無効試合に終わった。
かつてはKENTAのリングネームで、プロレスリング・ノアのカリスマ的存在であったヒデオは、14年4月にノアを退団しWWEへ移籍。だが、左肩の手術や首の負傷により2度にわたり戦線を長期離脱。今年5月20日には、米シカゴで開催されたNXTテイクオーバー大会でボビー・ルードの持つNXT王座に挑戦するも、奪取に失敗している。3年越しの日本凱旋マッチとなった前日は第1試合でクリス・ジェリコと一騎打ちを行い、ウォールオブジェリコに惜敗した。
ヒデオは序盤から得意の蹴りを多用し、サッカーボールキック、顔面ステップキック、串刺しドロップキックと一気に畳み掛けると、アモーレを担ぎ上げ、go 2 sleepの体勢へに入ったところで、突如、キャスが乱入。前日もアモーレを襲撃していたキャスは、まずはヒデオにフロントハイキックを叩き込むと、アモーレにもビッグブーツを炸裂。試合をブチ壊して去っていった。不意を突かれたヒデオは、場外でダウンしたまま退場。リング上でKOされたアモーレも、レフェリーに抱えられながら医務室へと運ばれた。
戸澤は2日連続王座挑戦も奪取失敗
共にDRAGON GATEマットで存在感を発揮してきた3選手。今回がスーパースターとして日本公演初参加となる戸澤だが、前日はネヴィルに勝利を横取りされ、あと一歩で王座奪取ならず。この日もエイリースにダイビングセントーンを炸裂すると、フォールを狙いに来たネヴィルも場外へ落し、前日の二の舞を防ぐが、直後にオーエンズの逆襲のローリングエルボーが戸澤にクリーンヒット。すかさず、またもネヴィルがオーエンズを突き飛ばしてフォールを横取り。前日に続き、“漁夫の利”で王座防衛に成功した。
着物姿で登場アスカが連勝記録更新
アスカはかつて華名のリングネームで活動し、日本でも異彩を放つと、WWEからのスカウトを受け、15年10月にNXTでデビュー。今年5月にはビル・ゴールドバーグが持つWWE最多記録の173連勝を塗り替え、現在も更新中だ。
前日にはサプライズとして、元スターダムの宝城カイリが、カイリ・セインとしてNXT入団および女子トーナメントのメイ・ヤング・クラシックへの参戦を発表。ディーヴァ戦線はますます盛り上がりを見せている。
この日も大歓声に迎えられ、着物姿で登場したアスカだが、アレクサに顔面を踏みつけられ、ナイアにベアハッグで締め上げられる苦しい展開に。だが、アレクサにドロップキックで反撃。パートナーのサシャがアレクサをバンク・ステートメント(バッククラッカーからのクロスフェース)で仕留め、チームの白星を飾ると、試合後はNXT女子王座を手に観客の声援に応えた。
アンダーソン&ギャローズは両国で戴冠ならず
セザーロは得意のジャイアントスイング20回転でアンダーソンをブン回し、そのままシャープシューターでとらえるも、ギャローズがカット。アンダーソンもガンスタンで反撃に出ると、ギャローズもスパインバスター。さらに豪快なパワーボムで叩きつけ、ついに合体技のマジックキラーでトドメをさそうとするも、シェイマスが阻止し、ギャローズにブローグキック。逆にセザーロがアンダーソンを担ぎ上げ、シェイマスのホワイトノイズとセザーロのスイスアッパーカットの合体技で勝利し、ベルトを死守した。
ベイラーがジェリコとの元日本本対決制す
ジェリコは91年にFMWに初来日し、WARではライオン道のリングネームで冬木軍にも加入。02年3月1日に横浜アリーナで開催されたWWE初の日本公演では、メインイベントで世界ヘビー級王者としてザ・ロックを迎え撃つなど、古くからのプロレスファンにもなじみの深い選手。一方、ベイラーもプリンス・デヴィットの名で新日本プロレスで活躍し、バレットクラブの初代リーダーも務めた。
両者に対し、入場から大歓声が沸き起こると、試合中も「レッツゴー・ベイラー」「Y2J」のチャントが発生。ジェリコはウォールオブジェリコ、ライオンサルト、コードブレーカーと得意技を惜しげもなく繰り出すと、ベイラーはこれをしのいぎ、ブラディーサンデー、スリングブレイド、ジョン・ウーからのクー・デ・グラで勝利を決めた。
試合後、ベイラーに握手を求めたジェリコが、「ベイラーもオレも、日本で長く過ごした。またここに帰って来られて嬉しい。愛してます、ニッポン」と話し、マイクを託すと、ベイラーも日本語で「はい、お疲れ様です。本当におもしろいです。Y2Jスゴイネ。クリス先輩」と偉大なる先輩に敬意を表した。
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