夏競馬開幕戦にGI馬いきなり登場! 函館SS好走キーワードは「4歳」「牝馬」

JRA-VANデータラボ

前走着順別成績

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表5は前走着順別成績。これを見ると前走でも1〜3着に入っていた馬の好走率が高く、まずは順当な傾向といえる。それでいて、前走10着以下から巻き返した馬が9頭もいるので侮れない。前走10着以下の好走率は、前走4着や前走5着と遜色なく、回収率は非常に高いので侮れない存在となりそうだ。

前走クラス別成績

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表6は前走クラス別成績。好走率が高いのは前走でG1やG2に出走していた馬で、こちらも順当な傾向が出ている。前走G3も回収率は振るわないものの、好走率はまあまあ。しかし、出走例が最多の前走オープン特別は好走率がかなり低い。前走1600万下や前走1000万下にも見劣るほどで、前走オープン特別出走馬は過信しないほうがいいかもしれない。

前走距離別成績

表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表7は前走距離別成績。前走でダートに出走していた馬はいなかったので、前走はすべて芝のレースとなる。出走例が多いのは前走も同距離の1200mだった馬だが、前走で1400mや1600mに出走していた馬のほうが好走率、回収率とも上回っているようだ。特に、前走が1400mだった馬の好走率が高く、該当馬がいたら注目してみたい。

結論

 今年の函館スプリントSの登録馬は全部で13頭。まずは好走率の高い牝馬から、データ的に有力と思われる馬を挙げていこう。

 牝馬の登録は5頭。そのなかで、好走率が非常に高い4歳馬に唯一該当するのがブランボヌールだ。前走のシルクロードSでは13着に大敗も、表5の項で述べた通り、このレースでは前走10着以下から巻き返した例も多い。2年前の函館2歳S勝ち馬だから、コース適性という点でも心強い。また、3歳馬、前走G1、前走1600mと、回収率の高いデータに複数合致するジューヌエコールも面白そうな存在。牝馬からもう1頭挙げるなら前走G1出走のクリスマスで、こちらは4年前の函館2歳S勝ち馬になる。

 牡馬の注目は、なんといってもセイウンコウセイだ。4歳馬、前走G1出走、前走1着という好走率の高いデータを満たしており、これといった弱点は見当たらない。目標は秋のスプリンターズSだと思われるが、やはり有力なのは間違いない。高松宮記念でこの馬より人気を集めていたのがシュウジ。前走G1出走の4歳馬という点はセイウンコウセイと同様で、昨年の当レース2着馬だから適性面も問題ない。最後にもう1頭、9歳という年齢は気になるものの、好成績の前走1400mで1着だったエポワスも穴候補に挙げておきたい。

文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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