バトンが鈴鹿で順応性の高さを証明 8月のスーパーGT参戦は「とても光栄」

吉田知弘

多くの報道陣、ファンが集結

8月のスーパーGT参戦に向けて鈴鹿でのテストに参加したバトン 【写真:吉田成信】

 今年も注目を集めている国内最高峰のレースイベント「スーパーGT」。そのシリーズ第6戦として鈴鹿サーキットで8月26、27日に開催される「インターナショナル鈴鹿1000km」に、2009年のF1ワールドチャンピオンのジェンソン・バトンがスポット参戦することが決まった。

 所属するのは、今年からGT500に復帰し「#16 MOTUL MUGEN NSX−GT」で参戦するTEAM無限。国内外で経験のある武藤英紀と中嶋大祐をレギュラードライバーとして起用し、第6戦のみバトンを加えた3人体制となる。

 8月のレース本番に先立ち、バトンが6月6、7日に同地で行われたタイヤメーカーテストに参加。これまでホンダのファン感謝イベントで、スーパーGTマシンのデモランを行なったことがあるが、本格的に走り込むのは初めて。F1では通算15勝を挙げた彼が、今まで体験したことがないマシンでどんな走りを見せるのか、初日から多くの報道陣が集まり、その注目の高さがうかがえた。

 平日にも関わらず、彼を一目見ようと多くのファンが来場。バトンも過密スケジュールの中で可能な限りファンサービスを行い、観客席のファンにも笑顔で手を振るなど終始リラックスした表情。この日に行われた記者会見では、また鈴鹿サーキットでレースができることが、彼自身にとっても本当に楽しみだと語ってくれた。

「このような特別なサーキットで、NSX−GTという素晴らしいクルマで走れるというのは、とても光栄だよ」

「また、こうして日本に来て、そして鈴鹿サーキットに帰って来ることができてすごくうれしいよ。ここでのレースにはたくさんの思い出がある。1995年にはカートにも出たし、2011年にはF1日本GPでも優勝した。また日本のファンの前で再びレースができるのは嬉しいよ」

かつてのライバルとの対決も楽しみ

 現在、スーパーGTはF1で活躍していたヘイキ・コバライネンや、かつて所属していたB・A・Rホンダなどでテストドライバーなどを経験したジェームス・ロシターをはじめ、バトンと関係のあるドライバーも何人か参戦している。

 特に、ロシターとはカリフォルニアで一緒にトレーニングをする機会が多く、彼からスーパーGTの魅力についてよく聞いていたと言う。

「ジェームス(・ロシター)とは、カリフォルニアで一緒に過ごす時間も多くて、トレーニングを一緒にしているときにスーパーGTのことについて、いろいろ話を聞いたよ。レースはもちろんエキサイティングだし、特にGT500とGT300の混走があって、常に追い抜きをしながら走ることとか。すごくチャレンジングなんだけど、彼の話を聞いて楽しみが増したし、早く8月のレースを迎えたいなという気持ちになった」

「ただ、彼は別のマニュファクチャラーでタイヤメーカーも別だから、細かい情報は教えてくれないかもしれないけど、ライバルとしてレースをするのが楽しみだよ」

「その他で、F1で何年も会っていたヘイキ(・コバライネン)もそうだし、ロニー・クインタレッリとは1997年にカートで戦っていた相手。彼とも再びレースができるのも非常にうれしい。こうして昔から知っている人たちと、スーパーGTでレースができるのはうれしいし、8月の鈴鹿1000kmはエキサイティングなレースウィークになると思う」と、かつてのライバルたちとの対決も楽しみにしていた。

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著者プロフィール

1984年生まれ。幼少の頃から父の影響でF1に興味を持ち、モータースポーツの魅力を1人でも多くの人に伝えるべく、大学卒業後から本格的に取材・執筆を開始。現在では国内のSUPER GT、スーパーフォーミュラを中心に年間20戦以上を現地で取材し、主にWebメディアにニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載。日本モータースポーツ記者会会員

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