ハリル「問題はあるが、進んでいる」 国際親善試合 シリア戦前日会見

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シリア戦を翌日に控え、会見に臨んだハリルホジッチ監督 【スポーツナビ】

 サッカー日本代表は7日、東京スタジアムでキリンチャレンジカップ2017のシリア戦に臨む。試合を翌日に控えた8日、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が会見に臨んだ。

 ワールドカップ(W杯)アジア最終予選グループBにおいて、5勝1分け1敗で首位に立つ日本は、13日にアウェーでのイラク戦を控える。シリア戦はイラク戦に向けて重要な親善試合となる。

 シリア戦に向け、ハリルホジッチ監督は選手たちに「明日は良いテストマッチにしよう。ハードワークと厳しさを持って戦っていこう」と伝えたことを明かし、この試合がイラク戦に向けたテストの場であることを強調した。

 また、今野泰幸について「彼が今どのような状態なのかをここで言うのは難しい」と語るなどけがを抱えた選手の起用について慎重な姿勢を見せ、初招集の加藤恒平について「A代表で経験がない選手をポンっといきなり出すことは難しい」と語るなど、コンディションや経験を重視して選手を起用する意向をうかがわせた。

シリアはアグレッシブさとパワーがイラクに似ている

 明日はテストとなる試合がある。(シリア戦から)6日後にある試合(イラク戦)に向けた準備のテストマッチだ。事前にお伝えしたように、特にアグレッシブさとパワーのところでイラクに似たシリアという国を相手に選んだ。既に10日間ぐらい一緒に準備しているが、今回はいろいろなグループに分かれた。各人で異なるプログラムをこなしてきた。何人かは多くのトレーニングをこなし、何人かは少なめのトレーニングをこなした。国内組は日曜日(4日)の試合後、かなり遅くに合流した。残念ながら少し疲労回復のトレーニングができた程度だが、チームはたくさんのトレーニングを重ねてきた。個人としてもチームとしてもディスカッションを重ねている。

 その中でいろいろな問題が起きた。選手には明日は良いテストマッチにしようと伝えている。「ハードワークと厳しさをもって戦っていこう」「この試合に勝つトライをしよう」と伝えている。失点をしないことが大事だとも伝えてある。そしてイランへの移動の準備をしようと(伝えた)。最終予選のイラク戦という重要な試合に向けた準備が始まるので、しっかりと準備をしていこうという話をした。

――この試合で特に試したいことは何か。また、けがを抱えた選手や、けがから復帰したばかりの選手が何人かいる。たとえば浅野拓磨や今野泰幸のような選手を明日はどうテストするつもりなのか?

 イラク戦への準備となる試合なので、いろいろな異なるオーガナイズを準備しておかなければならない。そして選手がどんな状態なのかを見ておく必要がある。ただ、皆さんには既に伝えたが、かなり繊細な時期だ。能力・経験がないと、このグループを調整するのは難しいと思う。(選手たちは)疲労があるし、けがもあった。試合への出場機会が少ない選手もいる。つまり、いろいろな問題が良い試合をすることを妨げていたということがある。そして必ず把握しなければいけないのは、「誰が、いつ、どのような状態なのか」ということだ。

 イラク戦に向けては2カ月かけて準備をしている。すべての細かなこともすべて把握している。特に、イラクについてだ。どのようなプレーをしてくるのか。それからわれわれのチームを見ているわけだが、戦略が私の頭の中にある。最低2つのストラテジーは用意しておかなければならないと思う。そこから明日はどのようなチームを編成するのかというトライが始まるわけだが、それがうまくいくかはまだ分からない。

 私が毎回、感じるのは時間が少ないということだ。どういう時間かというと、オートマティズム。呼吸を合わせるための時間を取るのが難しい。ボードに書いたり、ビデオで説明することはできるが、グラウンドで伝えることでより学ぶことができるからだ。

 何人かけが人がいる。特に今野だ。私が描いていたようなプランでは進まなかった。もう少し早くグラウンドに復帰するのかと思っていた。ただ、彼とは常にコンタクトを取り続けていた。試合数が少ない中での、30〜45分プレーしただけという状態での合流となったわけだが、彼が今どのような状態なのかをここで言うのは難しい。

 それから、乾(貴士)の状態もある。100%の状態でトレーニングすることはできなかった。イラクのようなレベルのチームと対戦すると、またいつけがをするか分からない状況になるので、乾ともメディカルスタッフを交えて話をした。彼と一緒にイラクへ行けるのか話したのだが、ここ最近になってようやくパフォーマンスが上がってきたと感じている。フィジカル的にはかなり準備ができている。トレーニングをしっかりとやってくれた。ただ、けががどうなるかだ。試合に出たとしても5分でけがをするかもしれないという気持ちもあるし、メディカルスタッフとコンタクトを取ってやっていきたい。彼はチームとずっと一緒にいたいと言っているし、私も理解している。浅野も少しけがを抱えているが、少しよくなってきたと聞いている。いろいろな問題はあるが、チームは進んでいる状態だ。

 イラク戦は100%フィジカルの準備ができた状態で、相手が何をしてきてもこちらが対応できるようになる。そういう選手が必要だ。イラク戦はどのようなタイプの試合になるか、こちらは完全に把握している。まずはこの東京での試合とグラウンドの状況はまったく違うものが予想される。そういったことも踏まえて、ディテールにこだわってやっているし、最後に決断をするのは私だ。

 ただ、選手はしっかりとやってくれたし、良い雰囲気も作れている。何度も繰り返しているが、「今、ここが大事なんだぞ」という話をしている。そして最後に勝利で終えることができればいい。この試合に勝てば8月、9月は少し落ち着いた状況で準備ができる。野心やウエート(試合の重み)が違う状況になると思っている。

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