外国人が日本の独立Lでプレーする理由 決して楽ではない給料のその先に――
最近増えてきた独立リーグへのオファー
日本の独立リーグからNPB・オリックスと2度契約したカラバイヨ。彼が日本の独立リーグのために来日する外国人の流れを変えたという 【写真は共同】
外国人選手の獲得について語るのは、ルートインBCリーグ・信濃グランセローズのフロントスタッフだ。
「もちろんこっちからスカウトを派遣するようなお金はないですから。そういう代理人からのオファーや、あとは監督やコーチのコネクションが獲得ルートですね」
日本に独立リーグというプロ野球ができて10年がすでに過ぎた。その間、MLBによる選手獲得網は着実に拡大し、今シーズンはアフリカと旧ソ連圏出身のメジャーリーガーが誕生するようにまでなった。世界規模で見た場合、プロ野球選手、あるいはそれを目指す若者の総数は確実に増えている。しかし、野球の腕一本で十分な生活の糧を得ることのできるプロリーグと言えば、MLB、NPB、韓国、それにせいぜい台湾とメキシコのトップリーグであるメキシカンリーグくらいなものだ。
その球団の総数は、ここ20年、ほとんど変わらない。そうなると、稼げるプロリーグを目指す選手を吸収するため、育成目的の「マイナーリーグ」が増えるのは必然で、それがヨーロッパでのプロ化の進展、日米での独立リーグの増加となって表れている。
日本を意識するマイナーリーガー
独立リーグ最強のアトランティック・リーグ(アメリカ)の開幕はメジャーとほぼ同じ4月上旬。キャンプでクビを切られたような選手は、ここでプレーするのはなかなか難しい。となれば、4月と5月の2カ月はトライアウトに走り回る羽目になるのだが、その前に、日本の独立リーグ入りを狙う選手が増えているのだ。彼らマイナーリーガーの年間カレンダーの中に、日本の独立リーグは完全に入り込んでいる。