中田監督「伝説に残るようなチーム作る」 2017年度バレー全日本女子始動会見

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「レセプションアタック」を徹底強化

中田監督は「自分たちがどうやって点を取るのかという『形』を作りたい」と目標を掲げた 【写真:坂本清】

――キャプテンは決まっているのか。そのキャプテンに対して期待することは。キャプテン以外にも中心になってほしい選手がいたら名前を挙げてほしい。

中田監督 今シーズンは大事なチーム作りの中でいろいろ考えましたが、キャプテンは岩坂名奈にお願いしました。理由はいくつかありまして、1つは時間です。私と選手は同性ではありますが、すべて把握しきれるわけではありません。岩坂とは(久光で)4〜5年一緒に戦ってきているということで、私のやりたいバレーを彼女は理解してくれています。そういう意味で時間のロスがないのかなということで彼女にお願いしました。

 もう1つは、選手の性格などはまだまだ理解できないところもありますし、選手たちも私のことをまだ(分かっていない)。他チーム(久光以外)の選手は、「怖い」というイメージしかないと思うのですが、そういう意味で、彼女の嫌われる勇気、覚悟というのでしょうか。東京五輪に向けて、何が何でも日本のために戦うんだという強い覚悟を感じましたので、彼女にお願いしました。

 期待している選手は、もちろん木村(沙織)のような大黒柱がいなくなった今、第2の中心選手ということを考えると、これからは古賀、黒後。若い選手に1人でも多く、アンダーカテゴリから上がってきてほしいと思います。あとはリオ(デジャネイロ)五輪で負けた悔しさを持って合宿に臨んでいる選手たちもいますので、そういう選手たちにも期待したいと思います。

――長岡選手のけがの状態は? 今季どこかの大会で復帰できる見込みなのか。

中田監督 長岡の状態はおそらく(今季中の復帰は)厳しいと思います。ただ、順調にリハビリが進んでいますから、来シーズンからは合流できると思っています。非常に大事な戦力の1人ですし、時間をかけてしっかり治すということを考えています。

――今季はどのようなバレーを展開したいと考えているのか。また、今季の最大の目標は?

中田監督 五輪であったり世界大会の数値を分析して、「レセプションアタック」。サーブレシーブからの攻撃の決定率が低かったのがポイントなのかなと。なので、まずはそこを徹底的に強化して、最低限でも自分たちがどうやって点を取るのかという「形」を作りたいと思います。非常に時間がかかる部分ではあるのですが、丁寧に時間をかけてやりたと思っています。

 今シーズンは3つの大きな大会(ワールドグランプリ、アジア女子選手権、ワールドグランドチャンピオンズカップ)がありますけれど、1戦1戦を大事に。やればやるほど修正も増えていくと思いますけれど、方向性を見極めて次につながるように強化していきたいと思っています。

セッターは「ミドルの使い方がポイント」

――セッターについて、どんなことを1番要求していきたいと考えているのか。

中田監督 「レセプションアタック」の決定率を上げるためには、セッターのトス回しが非常に大事になると考えています。そういう意味で、やはりミドルの使い方がポイントになるのかなと。ミドルを中心とした組み立てができること、あるいはチームをまとめられる、落ち着かせることができること。そういうセッターに期待しています。

――最初に言われた5つの強化ポイント(「スピード」「正確性」「連係」「桁外れの集中力」「世界に負けない強さ」)を具体的に説明してほしい。

中田監督 高さとパワーでくる外国チームに対して、高さとパワーで対抗するのは限界があるというところで、身長が低い私たちが世界で戦うためには「スピード」と「絶対的な技術」が最低条件だと思います。そのためには、「連係・コミュニケーション」が非常に大事だと思いますし、「集中力」というのは海外のチームを相手に試合をすると体力を消耗することが多いので、集中力が切れるとパフォーマンスが落ちてしまう。スタミナ切れですね。それをなくすということでこの5つを挙げました。

岩坂「戦う集団を作り上げていく」

新キャプテンに指名された岩坂。中田監督が信頼を寄せる 【スポーツナビ】

 続いて選手たちが登壇。

――まず岩坂に質問。今季からキャプテンになったが感想は?

岩坂 正直、驚きました。今までキャプテンという責任のある立場を経験したことがなかったので、想像がつきませんでした。

――中田監督からどう伝えられて、そのときにどう思った?

岩坂 監督からはメールをいただき、そのときは驚きしかなかったです。

――どのようにチームを引っ張っていきたいと思っているのか。

岩坂 20年まで限られた時間の中でチームを作っていかなければなりません。選手・スタッフが一丸となって戦う集団を作り上げていきます。個人としては、ブロックだけではなく、すべてのプレーにしつこさを求めてやっていきます。

――今日は全員メイクをしているが?

岩坂 いつもは素顔なのですが、メイクをしていただいたことでみんなキラキラ輝いていて、みんなさらにかわいく見えます。

――個人的にメイクが長かったり、注文が多かった選手はいた?

岩坂 私です(笑)。

宮下「テンポを大切にしたバレーに挑戦」

宮下は「テンポを大切にしたバレーに挑戦」と抱負を語った 【写真:坂本清】

――順番に各選手から今季に向けて抱負・意気込みを一言。

井上 前回選出していただいた10年以降、けがが続いてプレーする機会が少なかったのですが、新体制となって選出していただき驚きました。今度こそ、自分でチャンスをつかめるよう頑張りたいと思っています。まずは戦力となれるよう、持ち味である瞬発力を生かしたレシーブや、つなぎのプレーでアピールして全力を尽くしたいと思います。

小幡 世界と戦えるといううれしい気持ちもありますが、これまで以上の責任と覚悟が必要だなと感じました。プレー面ではサーブレシーブを、それ以外では声でチームを支えていくことが強みだと思っています。1年目ということで、求めらることを着実にこなし、コートの中で表現できるよう頑張りたいと思います。

佐藤あ ポジティブに、強い気持ちを持って最後までボールを追いかけてチームに貢献したいと思います。

内瀬戸 サーブレシーブとスピードのある攻撃をアピールして、安定したプレーでチームに貢献したいと思います。

田中瑞 東京五輪に向けた最初の年に選出していただき、とても光栄に思います。アピールポイントのパワーを生かし、速いテンポの攻撃にも挑戦していきたいと思います。

田中美 今年が東京五輪に向け土台となる1年だと思っていたので、うれしい気持ちとともに身の引き締まる思いです。ミドルブロッカーを中心とした攻撃を展開し、少しでも多くの勝利に貢献したいと思います。

鍋谷 日の丸を付けさせてもらうという誇りと責任を持ち、持ち前の明るさでチームに貢献できるようやっていきたいと思います。

冨永 東京五輪に向けた始動の年に選出していただき、大きな喜びと覚悟を持って取り組みます。今シーズンはトスのスピードアップと精度を意識して、何事にも前向きに取り組もうと思います。

佐藤美 テンポのいいトスが持ち味だと思うので、さらに高めてアタッカーを生かすことでチームに貢献したいと思います。

新鍋 20年に向けたスタートの年に選出していただき、東京五輪という特別な大会に挑めるチャンスがあるので、このチャンスをつかめるよう努力していきます。私の武器はディフェンス面だと思っているので、攻撃はもちろん守備面でチームに貢献できるよう頑張ります。

宮下 東京五輪に向けたスタートの年ということで、今まで以上の強い覚悟を持ってやります。テンポを大切にしたバレーに挑戦します。

高橋 東京五輪に向けて責任と覚悟を持ち、攻守ともにチームに貢献できるよう頑張ります。

石井里 サイドやミドルでもプレーできることが私の持ち味なので、しっかりとそこをアピールして求められたポジションやプレーができるよう準備をしてチームに貢献したいと思います。

奥村 今シーズンは多彩なコンビネーションを身に付けてチームに貢献したいです。

野本 攻撃面でアピールしたいと思っているので、世界に対して点が取れるようなパワーやスピード、技術を磨き、貢献できるよう精いっぱいやり切ります。

石井優 今までの経験を生かし、攻撃面やディフェンス面でも点数を取るような勢いでチームに貢献して頑張ります。

古賀 選出してもらったので、今まで以上に五輪を意識してやっていきます。スパイクなどでアピールしてチームに貢献していきます。

島村 自分らしく、自分の強みであるパワフルなプレーを。そして縦横無尽にコートを駆け巡り、チームの勝利に貢献していきます。

堀川 自分の持ち味である左利きとパワーを生かして、攻撃の軸になれるよう頑張ります。東京五輪に挑戦できるチャンスをいただいたので、覚悟を持って日々の練習に取り組んでいきます。

松本 全日本に選出され、うれしいですし責任も感じます。(武器は)打点の高さと、ブロックの高さだと思っています。まずは試合に出て、結果を残すために頑張ります。

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