sportsnavi

ハリルホジッチ「私は競争を生んでいる」
シリア戦、イラク戦メンバー発表会見

より良い選手を呼ぶトライをするだけ

今後も「より良い選手を呼ぶトライを続けていく」と話すハリルホジッチ監督
今後も「より良い選手を呼ぶトライを続けていく」と話すハリルホジッチ監督【スポーツナビ】

――今野の状況が不確定で、ひとまず合宿に呼んでから、様子を見るということだが、もっと人数を多めに呼ぶことも可能だったと思う。そこの判断の背景を詳しく教えてほしい。それから、キャプテンの長谷部が現在リハビリ中だが、今回の代表活動、合宿にはどのような関わり方をするのか?


 今野はコンタクトを取り続けて、午前、午後と連絡を取り合っている。メディカルスタッフもテクニカルスタッフもあわせてだ。スタッフも今野のところに行かせてコミュニケーションを取っている。できるだけ早くプレーしてくれればと思う。イラク戦では彼のような選手が必要だ。イラク戦の前に2〜3試合は重ねておいてほしい。2カ月プレーしていないというのが影響として残るかもしれない。


 ただ、攻守において運動量がものすごく多い選手だし、彼の気持ちやフィジカル面も素晴らしいものがある。テクニックで相手を凌駕(りょうが)するというよりも、フィジカルで凌駕するタイプ。45分、60分、試合をするというふうにだんだん増やしている。そして、シリア戦は様子を見るつもりだ。それがしっかりできていれば、イラク戦の準備ができているのか分かる。G大阪のテクニカルスタッフも非常に協力的で、クラブも代表も一緒になって好ましいパフォーマンスを出せればと思う。


 長谷部に関してだが、われわれとは一緒にいない予定だ。長谷部はすでにトレーニングを開始しているが、ちょっと無理をして痛みを感じていると聞いている。今は少し運動をやめているが、長谷部に関しては不安ではない。なぜなら彼のメンタリティーを知っているからだ。次はわれわれと一緒にいられると思う。内田(篤人)に関しても付け加えたい。ウッチーに関しては少し不安が残っている。彼の不在が少し長い。またもう一度、ハイレベルのパフォーマンスを取り戻すのは難しいかもしれない。内田も素晴らしい能力、パフォーマンスを持っている選手だから、素早く取り戻してほしい。彼が良いパフォーマンスを取り戻す日を心待ちにしている。


――加藤のプレーの特徴を説明してほしい。また、4回見たときには本人にも会ったのか。


 先ほど申し上げたように、加藤は約1年追跡している。4回ほどスタッフが現地に行って見ている。少しホタルに似ている。アグレッシブでいい組み立ても持っている。攻撃でもいいパスが出せる。ただ、少し2列目かなとも思っている。守備の修正役も担える選手だ。良いパスを持っているので、もう少し攻撃的にいけるかもしれない。ホタルよりはパワーはない。予測とアグレッシブのレベルが高い選手だ。


 この長い期間でいろいろな選手をトライした。小林祐希もトライした。ガク(柴崎岳)も最近のパフォーマンスはうれしい。忘れていない。永木(亮太)もいるし、たくさんの選手を呼んでトライした。直接私の目で見て彼の能力を判断したい。すぐにプレーさせるわけではない。まずは、ただ知りたい。あとはけがなど何が起こるか分からない。ユウキもずっと先発(で出ている)。彼ともディスカッションしている。ユウキの場合は、テクニックは悪くないが守備のところでもう少しアグレッシブにボールを奪うということが課題になる。


 考えなければいけないのはイラクとの戦いだ。グラウンドの状態も悪いままかもしれない。ボールを奪うところでアグレッシブにいける選手が必要になる。そういったタイプの選手が良いプレーができるのではないかということを踏まえて呼んでいる。ただ、そういった選手が代表に定着するかどうかは分からない。競争があるからだ。私はより良い選手を呼ぶトライをするだけだ。中盤も普通は6人だが7人目として、加藤を知るために呼んだ。大島(僚太)も忘れていない。ただ、またけがをしたと聞いた。あのポジションは本当にたくさん(良い選手が)いる。つまり、A代表に入るにはいい試合をしなければいけないということだ。

イラク戦ではグラウンド状態もキーになる

ハリルホジッチ監督はイラク戦に向け「グラウンド状態もキーになる」と語る
ハリルホジッチ監督はイラク戦に向け「グラウンド状態もキーになる」と語る【スポーツナビ】

――アウェーの時は相手の対策をしっかり練って相手に合わせるケースが多いが、今回のイラク戦でも違った戦術を考えているのか?


 特にアウェーの準備ということだが、国内で強いチームはよくある。たとえばUAEとの対戦、国内でよりパフォーマンスを発揮した。つまり、チームを勝たせる選手がいた。右サイドにいた10番のオマル(・アブドゥラフマン)とか。彼は右から中に入ってくる選手だったので、そこにユウトや今野を当てて、彼らにコントロールしてほしいと考えた。戦略としては、相手に長所を出させないということ。組み立てや正確性(といった長所)を出させない戦略をとった。イラクにも長所はある。彼らはUAEよりもよりアグレッシブ。テクニックはオマルたちほどはないが、自分たちの国(ホーム)でのアグレッシブさがある。


 今回はグラウンド状態もキーになる。グラウンド状態が悪いと短いパス中心の組み立てができなくなる。ロングボールからの空中戦が多くなる。空中戦に勝つ、そしてセカンドボールを奪うという想定をしないといけない。そして向こうの3、4人はドリブルを仕掛けてくる。このシチュエーションを考え、ボールをしっかり奪う、できるだけ早く(前に)送る。つまり、できるだけ相手の背後にいけということだが、それが有効になるかもしれない。相手の短所をしっかり突くことが重要だ。ただ、相手には長所がある。その準備のための選手を選んだ。戦いが大好きで、ボールを奪うのが大好きな選手が必要になる。それを踏まえて悩み抜いたリストであり、新しい選手がいるということ。相手に対してどうするか、それを個人やグループに伝える。


 われわれはイラン戦のフレンドリーマッチの前にテヘランのグラウンドでトレーニングをしたことがあるが、ボールが跳ねる。つまりテクニックはあまり使えず、ダイレクトにプレーしないといけないかもしれない。個人の移動、素早い動きが必要になる。常にフィジカル的に戦えるかも重要になる。それからFKで存在感を出さないといけない。(イラクには)空中戦にも強い選手がいる。そういった相手に対して、私は今野がかなり有用だと思う。今野、倉田、香川といった選手だと、また違った状況が生まれる。4番目、5番目の選手も必要になってくる。


 そして、われわれも相手を苦しめることができる。われわれは常に得点している。最初の15分と次の15分では、次の15分があまりよくない。つまり今回はフィジカルコンディションも重要になってくる。海外組はリーグ戦が終わったばかりの選手もいる。われわれの選手には厳しい要求をしている。最後の15分は特に体力のフレッシュさが大事になる。そして相手は代表監督を変えたばかりだ。まだ確実な情報は入ってきていないが、恐らくイラク人が(次期監督を)やるのではないか。そういった新しい監督は必ずいろいろなことを仕掛けてくる。


(最終予選の)各試合を2、3回ずつ繰り返し見た。前回の日本戦も何回かきつい状況に追い込まれた。サウジアラビア戦のホームもアウェーも、オーストラリア戦のホーム、アウェーも。イラクがサウジアラビアと対戦したときはイラクが試合を支配していたが、最後の5分でペナルティーをとられてやられた。いろいろな人とディスカッションをしているが、「最終予選はきつかったけれど、いつか予選突破できるよ」と言う人がいる。結局(突破)できていると。この罠(わな)にひっかかってはいけない。まだ突破していない。最後の最後にサウジアラビアの首都で(アウェーの)試合が待っている。


 だから、まずイラクに勝利しなければいけない。その結果によっては、オーストラリア戦がファイナルになるかもしれない。勝つことと、引き分けてしまうことと――もしかしたらオーストラリア戦では引き分けで十分(な状況)になるかもしれない。ただ、日本はホームでオーストラリアに勝ったことがないという歴史もある。だから本当に、この勝利を厳しく要求して、最終予選を美しく終わりたい。(初戦)敗退という悪い状況からスタートし、今はまあまあよい状態にいるというだけだ。美しく終わりたい。選手には本当に厳しく合宿で要求していく。疲労はあるだろうが、A代表に犠牲を払ってほしいと思う。


――西川、森重、清武、宇佐美など、長い期間一緒に仕事をしてきた選手だが、彼らを外す上で迷いなどはあったのか?


 彼らを完璧に外したわけではない。ほかの選手が良かっただけだ。より良い選手に資格がある。もちろんジャーナリストの皆さんに書いていただいて構わないが、本当に現在のパフォーマンスでチョイスしているだけだ。一番良い証明として、今野はずっと呼ばれていなかった。その時はパフォーマンスがよくなかったからだ。でも今の評価はどうだ。しかも34歳。つまりみんなに門が開かれているということだ。


 よいパフォーマンスでない時に自分の立場があると思っている人がいたらそれは間違い。ずっと先発でプレーしていた選手を私は簡単に外し、若い選手にプレーをさせた。ただ、選手たちはみんな大好きだ。彼らにもしっかりと説明する。しっかりといいトレーニングをして、いいパフォーマンスを見せて席を奪えというだけだ。ただ、「外した」という言葉はあまり使わないでほしい。より良い選手を選んだだけだ。西川は今まで先発だったが、パフォーマンスがよくないので違う選手が入った。エイジも東口もいいプレーをしている。誰に対しても怒っていない。私はその姿勢を崩さない。


――乾の足首の具合はどのような状態か? また、コンディションが重要という中で今野と乾はけがを抱えている。状況が悪ければイラクに連れていかないという選択肢もあるのか?


 今野に関しては先ほども言ったように経過を見ている。毎日電話をして連絡を取っている。フィジカルトレーニングを積んでから、今はグループに入って練習していると聞いている。5月28日にフレンドリーマッチを行う予定だと聞いているし、6月4日も試合がある。そこまでうまくいけばシリア戦に出られるかどうかが判断できる。その3つのテストができれば、イラクで試合に出られるかどうか判断できる。


 乾に関してはまだ直接見ていない。昨日帰国して、明日検査する。その結果を踏まえてメディカルスタッフと3者面談をする。もしできなければ他の選手を呼ぶだけだ。少しのことでも他の人を呼ぶかもしれない。ただ1週間かけて治る可能性もある。フレンドリーマッチとイラク戦はまったく違う状況だ。イラク戦に関しては100パーセントの準備をできる選手が必要。今日の経過だけでは正確なことは言えない。ただ、みんなA代表に来られたことを喜んでいるはずだ。私は競争を生んでいる。何人かが呼ばれていない。ただ彼らも努力をして、ここに戻ってきてほしいと思う。今はW杯に向けて準備しているんだと言いたい。W杯に向かうためには、もっともっとレベルを上げて準備をしたい。


※質問者に関しては、掲載許諾の確認が取れた方のみ明記しています。記名のない方は確認が取れていない方ですので、拒否されている訳ではありません。

スポーツナビ

スポナビDo

イベント・大会一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント