近藤が躍動! ヤクルト中継ぎの救世主に 〜燕軍戦記2017〜
球の力は昨年以上
5月18日、巨人を1対0で破り喜ぶヤクルトナイン。この試合、近藤は2番手でマウンドに立つと2者連続三振の好投を披露した 【写真は共同】
「(昨)秋のキャンプも(みやざき)フェニックス・リーグも春のキャンプも、全部フルメニューでできたので、今までは(故障明けで)加減してたところがうまく目を覚ませたのかなと思います」
近藤はそう話すが、それに加えてオリックスの後輩でもある大引啓次は「真っすぐだけじゃなくて、変化球でもしっかり腕を振ってくるのは変わらないですけど、怒られるかもしれませんが(オリックス時代は)どちらかというとコントロールがバラけてたイメージがあります。中継ぎだからかわかりませんけど、今はしっかり制球されてますよね」と、当時との違いを指摘する。
捕手の中村悠平も「真っすぐは力がありますし、コーナーにしっかり投げ切れている感じがあります」と証言する。
5月18日の巨人戦(東京ドーム)では、1点リードの6回に1死二塁の場面で登板。連続三振でピンチを切り抜け、ジョシュ・ルーキ、石山泰稚、そして抑えの秋吉亮という“勝利の方程式”へつなぐ完封リレーを演出した。近藤がいれば先発が早めに降板しても方程式を前倒しにする必要もないし、僅差のビハインドや同点でも投入できる。まさにブルペンの救世主と言っていい。
伊藤投手コーチも評価する働きぶり
もちろん、オリックスでくすぶっていた自分にトレードという形でチャンスを与え、温かく迎えてくれたスワローズに対する感謝の気持ちもある。
「すごく受け入れてくれるというか、ウエルカムな状態にしてくれているので、そういう意味ではチームのためにやりたいっていう思いは強くなりますよね」(近藤)
昨年、まだオリックスに在籍時していた頃に「テンションが上がるので、球場の雰囲気を変えられたらいいかなと思って」と、登場曲に使用するようになったゼッドの『Beautiful Now』。この曲が流れ始めると球場がポジティブな空気に包まれるのは、アップテンポなEDMの持つ“アゲアゲ感”によるものだけではない。この曲とともにマウンドに上がる近藤の躍動感あふれるピッチングに、ファンも大いに期待しているからだ。