錦織、グランドスラム優勝のカギは「心」 松岡修造が語る全仏テニス見どころ

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28日開幕の全仏オープンに臨む錦織圭。写真は2016年大会 【写真:アフロ】

 テニスの四大大会のひとつ「全仏オープン(以下、全仏)」が5月28日から6月11日、フランスのローランギャロスで行われる。赤土のクレーコートで行われる同大会。錦織圭(日清食品)のグランドスラム初優勝に向けたカギは。ケガでの休養から復帰し、好調なシーズンを過ごすロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ケガや不調に苦しむアンディ・マリー(イギリス)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)らBIG4(ビッグフォー)の活躍は。日本テニス協会強化本部副本部長で、今大会のWOWOW解説を務める松岡修造さんに注目ポイントを語っていただいた。

カギはメンタル面「心はいつでも変えられる」

――今季の全仏で特に注目している選手は?

 日本サイドの見方で言うと、それはもう「錦織圭選手が優勝できるかどうか」です。準決勝や決勝進出も、もちろんすごい事です。でもそれで彼が喜ぶかどうかというと、疑問です。彼の目指しているところは優勝しかない。だから僕も解説をする上では、「錦織選手が優勝するには……」という捉え方で伝えていくつもりです。

――錦織は去年、クレーで好成績だった。どこが合っている?

 錦織選手は、ハードコートだけでなくクレーで「早いテンポでプレーできる感覚」を2年ほど前に見つけました。(クレーではバウンド後のボールのスピードが比較的遅くなるため)打つまでにある程度は時間があるので、「ライジングでたたきやすいんだ」というのも分かってきた。
 また、錦織選手はサービスが“武器”というほど得意ではありませんが、クレーはサービスに一番左右されないコート。すごいサーバーと対戦したとしても、ここなら返せるんです。

マドリード・オープンは準々決勝を棄権。写真は同大会の練習中、ダンテ・ボティーニ・コーチ(左)と話す錦織圭 【写真は共同】

――今年は2月からクレー大会(アルゼンチン・オープン、リオ・オープン)に参戦。例年とは違うスケジュールを組んだのは、全仏優勝を目指して?

 良い方向で捉えたらそうだと言いたいのですが、僕はそうではないと思います。気持ちを入れ替えるということではないでしょうか。ただ、クレーはハードコートの大会よりもラリーが続きます。ラリーが続くという事は、いろいろな工夫をする機会が出てくるので、より自分のテニスに磨きをかけられます。

 それから、クレーは忍耐力がないと勝てません。(初戦敗退した)2月のリオ・オープンは、忍耐力がもっともなかったときだったんでしょう。適した言い方ではないかもしれませんが、あの時の錦織選手が相手だったら誰でも勝てるというくらいに悪い状態に見えました。(準優勝した前週のアルゼンチンから)少し場所が変わったり、標高が高く気圧が変わった影響で(ボールが思ったよりも)飛んでいってしまったり。(環境に)合わせきれなかったんでしょうね。

 ラケットを折ってしまう場面もありましたが、あそこまでイライラする錦織選手を見た事がありません。彼の中では、マイナスになってしまった週だったと思うんです。でもそれをうまく生かすのがプロだと思いますね。

――今季のスケジュールや結果は、良い「経験」にはなっている?

 グランドスラムで優勝するために、彼が描いていた計画どおりにはきていないと思います。その原因が「フォアがおかしい」などのテニスのプレー自体だったら致命的です。でもクレーで戦う感覚、パターンを錦織選手はつかんでいます。1回つかんだパターンというのは逃げません。

 僕が(グランドスラム優勝の可能性について)「圭%」と言っているのは、メンタルに不安がある、メンタル次第だからです。逆に彼の心がしっかりしてくれれば、何かテニスでこうしないといけないとかはいっさいない。一番修正をしやすいのは「心」です、心はいつでも変えられる。だから僕はすごく期待しています。

――手首や膝を負傷した影響も心配されているが、どちらかと言うとメンタルがカギ?

 もちろんケガもあると思います。ただそれが長い期間休まないといけない部分かと言われると、今のところは違うと言われていますから。全仏までの(他の大会の)結果は、僕はいっさい気にしないつもりでいます。全仏までにどうやってメンタルを持ち上げていけるか。それが一番。全部1回戦負けだったとしても、全仏に勝てばまったく問題ありません。彼もそこしか目指していないと思います。

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