牝馬強し!アエロリットが男馬蹴散らしV 横山典&菊沢師、義兄弟で射止めた初GI
「大きい舞台でノリさんと一緒に勝つことができた」
横山典(右)と菊沢調教師は義兄弟の関係でもある 【スポーツナビ】
「若いころから一緒にジョッキーとして仕事をしてきましたし、今も変わらずバックアップしてもらって、こっちも彼をバックアップしてと、そうやって頑張ってきて、アエロリットのような良い素材にめぐり合うことができた。とりあえずここで良い結果が出せたので、ただ、ただうれしいですね」
「実感がわかない」と表彰式後も緊張の面持ちだった菊沢調教師も、横山典との関係に話が及ぶと、頬を緩めながらこう振り返った。
「ノリさんには騎手のころから世話になっていますし、競馬に乗っていてもノリさんには敵わないなと思って調教師になったんです(笑)。ノリさんに乗ってもらえるような強い馬を作りたいと思ってやってきましたが、こうして大きい舞台でノリさんと一緒に勝つことができて、本当に良かったですね」
「まだ隠してる」……可能性は広がるばかり
秋は秋華賞か、それともマイル路線か 【スポーツナビ】
「乗っている僕にしか分からない感覚だとは思うんですが、まだ何かこう、隠し持っているというか、“もう1つある”ように思うんです。そんな状態で勝つんですからたいしたものですが、まだ何かあるんじゃないかな……って。短いところはもちろん走りますし、長いところでも乗り方一つだと思うので、色々な可能性がありますよね。この後は一息入れてリフレッシュして、その良い面が出てくればと思いますし、またしっかりと育てていければいいなと思いますね」
今年の3歳牝馬は強い――そんな前評判そのままの結果となった2017年NHKマイルC。そして、チャンピオンとなったアエロリットは“強い3歳牝馬”の中でも桜花賞上位3頭に並び立つほどの存在であることを証明してみせた。古馬相手のマイル戦もいいが、3歳牝馬ナンバー1をかけた秋の淀2000m決戦が見たい……まだオークスも終わっていないのに、そんなふうに思ってしまうほどにアエロリットの強さは鮮烈だった。
(取材・文:森永淳洋/スポーツナビ)